談話・コメント

麻生外務大臣談話

イラクと国際社会の新たなパートナーシップの構築(イラク・コンパクト策定に向けた取組について)

平成18年7月28日
  1. イラク政府と国連は、7月27日(木曜日)(ニューヨーク時間)、イラクと国際社会の新たなパートナーシップを構築するためのイラク・コンパクト(International Compact with Iraq)策定に向けた取組を正式に開始する旨のプレス・リリースを発出した。
  2. 我が国は、これまでイラク、国連及び主要関係国とともにイラク・コンパクト策定について協議してきたところである。イラク・コンパクトにおいては、イラク政府が政治面、治安面及び経済復興面での今後5年間の政策目標を示し、国際社会は右への支援を約束することが想定されている。我が国はこのようなイラク人による国造りを積極的かつ継続的に支援する所存であり、今般、正式な立ち上げに至ったことを歓迎する。
  3. 我が国としては、イラクが民主的で安定した国として発展するとともに国際社会の責任ある一員として繁栄していくことを期待している。イラク・コンパクト策定は、イラク政府の今後の統治に対する責任を明確化し、また、従前よりも幅広い国際社会の支援を得ることによってイラクの復興が加速化するものと考えており、イラク・コンパクトの準備グループ・メンバーとして、かかる取組に積極的に参画していく。
  4. イラク・コンパクトに関する我が国の調整担当として、イラク復興調整担当大使を充てる。

(参考)

  1. イラク政府及び国連のプレス・リリースの要旨
    http://www.un.org/News/Press/docs//2006/ik552.doc.htm他のサイトヘ

    (1)イラク・コンパクト(International Compact with Iraq)を正式に立ち上げる。

    (2)イラク・コンパクトは、イラク政府と国連を共同議長として、今後5年間において、イラクが平和でかつ民主的な国家として、経済的自立と繁栄を目ざし、地域・国際社会と協調していくためのイラクの国家的指針、及びかかる指針を実現するために国際社会の支援を明らかにするために作成される。

    (3)上記の国家的指針達成に向け、イラク政府は既に、国民融和の進展及び治安組織の拡充のための取組を進めるとともに、汚職対策、透明性・効率性の高い石油産業の育成、財政基盤確立、ガバナンス向上等のために取り組むことを約束している。イラク政府は、経済復興が進展するためには政治・治安面での課題克服が前提であるとの認識から、今後、各国の協力を得つつ、政治・治安面での取組に全力を挙げながら、イラク・コンパクトの焦点であるイラク経済の再編と地域・世界経済への統合に向けた枠組の構築への取組を進めていくこととなる。

    (4)イラク政府と国連は、世銀、IMF及び関係地域経済機関を執行委員会メンバーとして指名し、イラク・コンパクトの採択に向けたプロセス及びフォローアップを管理、支援していく。また、両者は、準備グループ各国・機関とともにイラク・コンパクト策定に向けて協議し、作業していく。

    (5)今後、9月の国連総会時にニューヨークで会合を開催し、より広い国々と協議するとともに、世銀IMF総会(シンガポール)で進捗を報告する。イラク・コンパクトは本年末までに国際社会の支持を得て完成する予定である。

  2. 各国・機関のイラク・コンパクト調整担当
    • イラク:サーレハ副首相
    • 国連:マーロック・ブラウン副事務総長、カジ事務総長特別代表
    • 米国:キミット財務副長官、ゼリコウ国務省顧問
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