
外務報道官談話
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地決定について
平成17年6月28日
- 6月28日(火曜日)、国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地設定のための閣僚級会合(モスクワ)において、参加国(わが国、欧州連合(EU)、ロシア、中国、韓国、米国)はITER建設地を欧州の提示していたフランス・カダラッシュとすることを全会一致で決定した。わが国へのITERの誘致が実現せず、これまで誘致に向けて努力して頂いた方々や、わが国候補地を支持してきた米国および韓国の期待には添えない結果となったが、今次会合はITER計画の実現に向け大きな一歩を踏み出すものであり、極めて重要な意義を有するものと考えている。
- わが国はEUとの交渉を通じ、建設候補地を提示している日本とEUのどちらがITERをホストすることになっても、双方が勝者となるような関係を構築すべく、ホスト国と非ホスト国の役割分担について合意し、結果的にITERは欧州に建設されることとなったが、ITER計画においてわが国が準ホストともいうべき地位を確保できる等十分に国益を守ることができるようになったと考えている。
- わが国としては、人類にとって究極のエネルギーである核融合の実現に向け、他の参加国とともに国際協力によりITER計画を推進していく考えである。