
外務報道官談話
広東省広州市における毒ガス事故について
平成17年6月26日
- 6月21日に広東省広州市において発生した毒ガス事故については、現地に派遣したわが方調査団による調査の結果、6月26日、旧日本軍の化学兵器によるものであることが判明した。
- わが国政府は、このような事故が発生したことについて極めて遺憾であると考えるとともに、被害者の方々に対し、心からお見舞い申し上げる。
- わが国政府としては、今後、このような被害が生じないようにするためにも、危険な状態にある遺棄化学兵器をできるだけ早く処理すべく、一層の作業の促進に向け最大限の努力をする考えである。なお、特に大量の化学兵器が埋設されているとされる中国吉林省ハルバ嶺における処理施設の建設に向けて、中国側の早急な対応が得られるよう鋭意協議しているところであり、引き続き、化学兵器禁止条約に則り、日中間で協力して、適切に対応していく考えである。
(参考)
- 6月23日、中国外交部よりわが国在中国大使館に対し、6月21日夜、広州市内の番禺(ばんう)において、川辺で砂を採集していたと見られる3人の住民が、旧日本軍のきい弾(マスタード、ルイサイト)からのものとみられる毒ガスを吸い込み、現在病院において治療を受けている旨述べつつ、同砲弾は旧日本軍の遺棄化学兵器であることはほぼ間違いないとして、一刻も早く現地に専門家を派遣して確認作業等を行うよう要請があった。
- わが国として、現地の状況を確認するため、6月26日、日本政府関係者および専門家を現地に派遣し、調査した結果、旧日本軍の化学兵器であることが判明した。
- 我が国としては、中国に遺棄された旧日本軍の化学兵器の大部分が埋められているとされる吉林省敦化市郊外のハルバ嶺において処理施設(発掘回収施設および実処理施設)を建設して処理事業を進める方針であり、同処理施設の建設に早急に着手すべく、中国側と鋭意協議している。