平成17年8月11日
ミランダ・アンゴラ共和国外務大臣は、8月3日(水曜日)から7日(日曜日)まで外務省賓客として訪日した。同外相は、滞在中、皇太子殿下に御接見したほか、小泉総理との表敬会談(矢野哲朗参議院議員(日・アンゴラ友好議連会長)同席)、町村外務大臣との外相会談及び昼食会を行ったところ、概要以下の通り。なお、同外相会談に先立ち、両大臣の間で、無償資金協力「第二次ルアンダ州小学校建設計画」に関する交換公文(E/N)の署名・交換式を行った。
同外相は、その他、矢野議員、松下忠洋衆議院議員(日・アフリカ連合(AU)友好議連副会長)とも意見交換を行い、JBIC、JICA、JETRO等を訪問した。
冒頭、小泉総理より、(アンゴラのように)石油もダイヤモンドも出ない日本では省エネのために「クールビズ」を励行している旨紹介したところ、ミランダ大臣からは日本には人材という素晴らしい資源があると述べる等、終始和やかな雰囲気で表敬が行われた。
小泉総理から、ミランダ外相の5回目となる訪日を歓迎し、アンゴラを「平和の定着」のモデル国として一貫して支援している旨述べたところ、ミランダ外相から、今回は日・アンゴラ間の友好的な関係の強化、特に経済関係の強化を目的に訪日したとしつつ、小泉総理のアフリカ重視の姿勢、矢野哲朗友好議連会長の貢献及び今回の訪日招請に対する謝意が表明された。
ミランダ外相から、人材開発、農業振興等の分野で今後ともアンゴラの復興努力への支援をお願いしたい旨述べたのに対し、小泉総理より、日本として今のアンゴラが最も必要とする支援を行っていく旨述べた。
小泉総理から、G4とAUの間の調整を行い、国連改革を是非とも実現したい旨述べたのに対し、ミランダ外相は、アンゴラは(同じポルトガル語圏である)ブラジルとも緊密に協力しているが、G4案との間でできるだけ意見がまとまるよう調整していきたいと考えており、同日のAU首脳会議の場で意見集約を目指していきたい旨述べた。
冒頭、町村大臣から我が国が本年を「アフリカの年」と位置づけ支援を強化していることや、今後3年間でのODA倍増方針の表明等を説明し、本年はアンゴラ独立30周年に当たる年であり、今年1月にはアンゴラの首都ルアンダに大使館を開設、6月に柴田進大使が着任した、そのような中でのミランダ大臣の訪日は両国間関係の強化のために時宜を得たものである旨述べた。
ミランダ大臣は、町村大臣の発言に対し謝意を表明し、アンゴラでは人材開発、農業支援、人的交流、保健分野等でのニーズがあり、支援をお願いしたい旨述べた。
また、町村大臣から、約500年間ポルトガルの支配を受けていたアンゴラの旧宗主国に対する国民感情につき尋ねる等、歴史問題に関する意見交換も行われた。
町村大臣からユネスコの執行委員会選挙につき支持要請を行ったところ、ミランダ大臣は、一般にアンゴラは日本の立候補者は全て支持するので心配しないでほしい旨述べた。
ミランダ大臣から、アンゴラはG4とAUのコンセンサスを得るために日本と協力する一方で、安保理のみならず包括的な改革も重要と述べたのに対し、町村大臣から、安保理改革のみならず幅広い改革が必要という認識は共有しており、開発・人権・国連総会を含めた機構改革に対して安保理改革と同様に取り組んでいると述べた。ミランダ大臣からは、決議案の一体化は日本と同じ目標であり、アンゴラはG4・AU一体化案の作成を支持したい旨の発言があった。
(昼食会において、アンゴラ側の意向も確認した上で、鯨の竜田揚げがメニューに含まれていたことを受け)ミランダ大臣から、生物資源の再生可能な保存につき言及し、アンゴラでは象の個体数の管理が問題となっている旨、また、鯨は象よりおいしい旨の発言があった(注:アンゴラはIWC非加盟国)。