小泉総理大臣

小泉総理大臣の訪露
日露首脳会談

平成17年5月10日

 モスクワ時間9日18時40分頃から約30分間、第二次世界大戦終了60周年記念式典に参加するため訪露中の小泉総理大臣は、クレムリン内の賓客応接室において、プーチン大統領と会談を行った。(日本側から、杉浦官房副長官、野村駐露大使他、露側から、プリホジコ大統領補佐官、ヴヌコフ外務省第一アジア局長他が同席。)

 今回、小泉総理は9日午前9時半過ぎから午後2時まで行われた第二次世界大戦終了60周年記念式典に参加するために訪露した。小泉総理が本式典に参加したことにより、戦後60年を経て国際社会の責任あるリーダーとなった我が国の存在感及び国際社会の団結を示すことができた。また、今後の日露関係の発展にも資する良い機会となった。

 また、今次訪露の機会に、小泉総理は、9日シュレーダー独首相と日独首脳会談を行い、国連安保理改革に関し、今後とも改革の実現に向けてG4間、特に日独間で一層緊密に協力し、関係国への幅広い働きかけを加速していくことで一致した。この他、小泉総理は第二次世界大戦終了60周年記念式典において、ブッシュ米大統領、シラク仏大統領、ベルルスコーニ伊首相等20カ国以上の首脳及びアナン国連事務総長、バローゾ欧州委員長、松浦・ユネスコ事務局長等と立ち話を行った。

1. 第二次世界大戦終了60周年記念式典

 冒頭、小泉総理より式典参加は意義深かったとして、式典の成功に祝意を述べたのに対し、プーチン大統領より「隣国であり重要なパートナーである日本の総理が参加されたことは極めて重要である。」と述べて、小泉総理の参加に対して謝意の表明があった。

(注)本式典は、第二次世界大戦終了60周年の節目に「追悼と和解」の精神で国際社会の幅広い結束を呼びかける国連総会決議を受け、ロシア政府が主催したものであり、G8諸国、中、韓、欧州諸国、CIS諸国等より50カ国の首脳及び3国際機関の長が出席した。

2.日露関係

(1)プーチン大統領より、尼崎の列車事故に対する深甚な哀悼の意の表明があった。

(2)プーチン大統領より、近時貿易高の顕著な増大を始めとして経済分野を中心として日露関係が順調に発展していることを高く評価する旨の発言があった。これを受け、小泉総理より、最近のトヨタのサンクトペテルブルク進出決定、本年7月に予定される自衛隊練習艦隊の初めてのロシア訪問等に言及しつつ、日露関係が「日露行動計画」に基づいて幅広い分野で進展していることを高く評価する旨述べた。

(3)また、両首脳は、プーチン大統領の訪日準備が両政府間で順調に進んでいることを確認し、引き続き、5月30日、31日に予定されているラヴロフ外相の訪日等を通じて、平和条約問題及び幅広い実務分野に関し、精力的に準備を進めることで一致した。

(4)プーチン大統領の訪日時期に関しては、小泉総理より、「プーチン大統領のご都合の良いなるべく早い時期の訪日を歓迎する」と述べた。これに対しプーチン大統領よりも「訪日を楽しみにしている」との発言があった。具体的時期については、引き続き外交ルートで調整することで一致した。

3. 北朝鮮問題

 小泉総理より、六者会合再開の重要性を強調しつつ、ロシアからも北朝鮮への働きかけを期待する旨述べ、プーチン大統領より、日本の懸念をよく理解しておりロシアとしても努力したい旨述べた。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る