平成18年5月
写真:内閣広報室
(1)小泉総理大臣は、4月29日から5月3日まで、エチオピア(アディスアベバ)及びガーナ(アクラ)を訪問した。我が国現職総理としては、2001年1月の森総理(当時)に次いで二度目となるサハラ以南のアフリカ訪問(国際会議出席を除く。)
(2)エチオピアでは、アフリカ連合(AU)本部においてアフリカ政策スピーチを行うとともに、日・エチオピア首脳会談やコナレ・アフリカ連合(AU)委員長との会談、我が国ODA案件水資源供給訓練センターの視察等を行った。
(3)ガーナでは、日・ガーナ首脳会談、コレブ病院内野口英世研究室視察等を行った。
日付 | 内容 |
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4月29日(土曜日) | 東京発アディスアベバ着 |
4月30日(日曜日) | 日・エチオピア首脳会談 日本庭園視察 水供給訓練センター(ODA案件)視察 在留邦人との懇談 メレス首相主催晩餐会 |
5月1日(月曜日) | コナレAU委員長との会談 政策スピーチ コナレAU委員長主催昼食会 アディスアベバ発アクラ着 |
5月2日(火曜日) | コレブ病院内野口英世研究室視察 日・ガーナ首脳会談 在留邦人との懇談 クフォー大統領主催晩餐会 |
5月3日(水曜日) | アクラ発 |
我が国の総理として2001年の森総理(当時)以来二度目となる今次アフリカ訪問は、単にエチオピア及びガーナとの二国間の関係のみではなく、アフリカ全体との関係強化を図る狙いがあった。今回小泉総理が、我が国総理として初めてAU本部を訪問し、AUとの対話及びアフリカに関する政策スピーチを行い、さらに、アフリカ開発に対する日本のコミットメントを示し(下記(2)参照)、我が国のアフリカ重視姿勢を示した。
今次訪問では、「アフリカの年」であった昨年に我が国が発表した「平和の定着」や保健分野等での対アフリカ支援の拡充をフォローアップするものとして、ダルフール支援や感染症行動計画等の支援策を表明し、また、「野口英世賞」の創設(下記(5)参照)を発表した。これらを通じて、我が国のアフリカ開発へのコミットメントが実行を伴う誠実なものであることを示すことができた。
また、我が国のコミットメントが、近年のアフリカ開発に対する国際的な関心の高まりにはるかに先行したものであり、むしろそのような関心の高まりを促すものであったことを改めて強く印象づけることができた。
政策スピーチや一連の会談において小泉総理より、我が国の援助が、アフリカ側の自助努力を前提とし、アフリカの自立を究極の目的として、アフリカが真に必要とするものを支援するという哲学に基づくものであることを、具体的な行動(上記(2)、下記(5)参照)を提示しつつ、強調した。
エチオピア、ガーナとも我が国総理の初めての訪問であり、先方から高く評価された。また、じっくりと時間をかけ且つ率直な雰囲気の中で行われた、それぞれの首脳との会談を通じて相互の理解及び信頼が深まった。さらに、エチオピアは昨年(2005年)、ガーナは来年(2007年)が我が国との外交関係樹立(エチオピアは国交回復)50周年であることとの相乗効果により、二国間関係の強化に非常に役立った。
クフォー・ガーナ大統領との会談において小泉総理より、今次アフリカ訪問の最中に発案したとして、アフリカに貢献した医学者・医療従事者等を対象とした、ノーベル賞に匹敵するような「野口英世賞」の創設を提案し、同大統領の同意を得た。総理よりは、今後日本が原案を作ってクフォー大統領及びコナレAU委員長と緊密に協議しつつ内容を固め、2008年に開催するTICAD IVの際に第1回表彰式を行うことも提案した。
小泉総理のイニシアティブによる本賞の創設は、アフリカが最も支援を必要とする問題の解決に我が国が強くコミットしていることの象徴となる賞になることが見込まれる。