本16日、18時過ぎから約40分間、鳩山総理は、実務訪問賓客として訪日中のジョゼ・ラモス=ホルタ東ティモール大統領と会談を行い、その後20時過ぎまで同大統領歓迎夕食会を主催したところ、やり取りの概要は以下のとおりです。
1.総論
冒頭、鳩山総理から、21世紀最初の独立国を発展へと導いたラモス=ホルタ大統領を讃え、未来志向の日・ティモール関係を継続・発展させていく意向を表明しました。これに対し、ラモス=ホルタ大統領からは日本の二国間、多国間の枠組を通じた継続的な支援について感謝の意が表されました。また、川上国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)事務総長副特別代表が昨15日に逝去(PDF)したことについて、両国首脳がそれぞれ哀悼の意を表しました。
2.国造り協力(ODA等)
ラモス・ホルタ大統領は、これまで行われてきた日本の支援により、東ティモールが平和を定着させ、国造りを行うことができ、近年はダイナミックで持続的な経済成長を達成した旨感謝の意を表明しました。その上で、今後の近代化のスケジュールを示す戦略開発計画を策定中であり、日本を含めた各国の政府、NGO等と協力していきたいとして、継続的な日本の支援への期待を表明しました。
鳩山総理は、国造りにおける社会経済基盤の重要性に鑑み、道路、港湾、上水道、灌漑設備等の整備を引き続き支援していく、また、人材育成の重要性から、青年海外協力隊員の派遣、防衛大学校への留学生の受入、及び、東ティモール財務省借款管理ユニットへの専門家の派遣を決定した旨述べるとともに、PKO貢献としてUNMITへの軍事連絡要員派遣を前向きに検討したい旨応じました。また、東ティモールの円滑なASEAN加盟を支持しており、貿易通商関連アドバイザーの派遣を決定した旨述べました。
3.国際的な諸課題(核軍縮・核不拡散、国連安保理改革、北朝鮮)
ラモス=ホルタ大統領から、日本が核軍縮・核不拡散の分野で国際社会の先頭に立っていること、拉致問題における日本の立場への強い支持を表明しました。
また、ラモス=ホルタ大統領は、戦後の日本の国連における貢献等の観点から、日本の安保理常任理事国入りを支持する立場をこれまで同様続けていく旨表明し、鳩山総理からは、これらの支持に謝意を表明しました。
4.気候変動問題
気候変動問題に関し、ラモス=ホルタ大統領から、日本の立場に強い支持を表明し、日本がアジアにおいて中印韓等、他の主要国をリードして国際的コンセンサスを構築していくことへの期待を表明しました。これに対し、鳩山総理からは、気候変動は高いゴールを設定し、世界をリードしていくべきと考えており、ラモス=ホルタ大統領の指摘したアジアのコンセンサスが重要であるが、簡単なことではないので、大統領の協力をお願いしたい旨要請しました。
Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータに対応したソフトウェアを入手してください。