平成21年4月1日
4月1日午前10時(現地時間)から約40分間、第2回金融・世界経済に関する首脳会議に出席するためロンドンを訪問中の麻生総理大臣は、李明博(イ・ミョンバク)大統領との間で日韓首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(1)二国間経済関係
4月半ばに韓国において開催が予定されている「日韓部品素材調達・供給展示会」(通称「逆見本市」)に関し、麻生総理より、これが日韓の産業間交流の一層の進展につながることを期待する旨述べたのに対し、李大統領より、厳しい時期にこそ日韓両国の経済面の協力が重要である旨の発言があった。
(2)国際経済
麻生総理より、1990年代の我が国の経験にも言及しつつ、危機を克服する上では財政出動が重要である旨述べ、日本としても更なる経済対策を考えている旨述べたのに対し、李大統領より、日本は貴重な経験を有している、財政出動には意義がある、韓国も日本の考え方を支持している旨の発言があった。
(3)パキスタン支援における協力
麻生総理より、前回の首脳会談では、アフガニスタン支援での協力について意見交換を行ったが、パキスタンへの支援も重要である旨述べ、パキスタン支援の分野でも日韓で協力していきたい旨述べ、李大統領より、良いアイデアである、として賛意が示された。
(1)ミサイル問題
麻生総理より、北朝鮮は日本を飛び越える形でミサイル発射を計画している、この問題については日韓米で連携して対応する必要がある、北朝鮮によるミサイル発射は明確な国連安保理決議違反であり、安保理で取り上げてしっかり対応していく旨述べた。これに対して、李大統領より、完全に同意する、ミサイル発射が行われれば国連安保理での対応を含め日韓米で連携して対応したい、今回日本の上を飛び越える形で発射されるため、日本は国民を守るためいかなる措置もとることができるし、韓国としてもそれを認めている旨発言があった。
(2)核問題
両首脳は、ミサイル問題に加え、六者会合でも日韓米で緊密に連携して対応していくことを確認した。
(3)拉致問題
麻生総理より、先月行われた金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏と飯塚家との面会実現に関する韓国側の協力に対し改めて謝意を表明したのに対し、李明博大統領より、韓国は痛みをともに分かち合う立場にあり協力するのは当然である、そのような観点から今後も積極的に協力していきたい旨述べ、拉致問題に関しても、引き続き日韓間で協力したいとの意向が示された。