麻生総理大臣

日インドネシア首脳会談(概要)

平成21年4月1日

 4月1日(水曜日)、14時30分から15時15分までの約45分間、第2回金融・世界経済に関する首脳会合に出席するためにロンドンを訪問中の麻生総理大臣は、ユドヨノ大統領との間で日インドネシア首脳会談を行ったところ、概要以下のとおりです。

1.冒頭発言

 冒頭、麻生総理より、ジャカルタにおける洪水被害に対しお見舞いを述べるとともに、4月9日の総選挙での御健闘をお祈りする、貴大統領の率いる民主党は、日本の最大野党の民主党と同じ名前であるので、記憶に残っている、旨述べた。

2.金融・世界経済

(1)ロンドン・サミット

 麻生総理より、今次サミットにおいては、世界経済回復のため、各国があらゆる財政・金融上の措置をとる決意を確認するとともに、保護主義の回避といった課題について力強いメッセージを発出することが重要である、特に、アジア経済の成長回復は鍵であり、日本として、1)信用収縮への対応のため、総額220億ドル規模の追加的貿易金融支援、2)「開かれた成長センター」たるアジアが、成長力強化と内需拡大等を進めるため、最大2兆円(約200億ドル)の対アジアODA貢献策、を表明する予定である、引き続き、貴国の成長力強化を支援していきたい旨述べた。

 これに対し、ユドヨノ大統領より、日本が世界的な経済危機克服のために具体的な貢献と役割を果たしていることに感謝と尊敬の念を表明するとともに、日本は、一貫してワシントンでのG20会合、ペルーでのAPEC、今回のロンドン・サミットにおいて世界経済を回復させるために貢献している、日本は世界的地域的な貢献とともにインドネシア経済を支えるための支援も行っており大変感謝している、日本にはこれまで貿易、投資、エネルギー、インフラ整備の分野で協力いただいており、この協力がさらに拡大することを期待する旨述べた。

(2)日インドネシア経済関係

 麻生総理より、昨年11月のワシントンにおけるG20首脳会合の際に行った首脳会談を踏まえて、インドネシアに対しJBICによる2年間で最大15億ドルのサムライ債の保証、2国間通貨スワップの規模の60億ドルから120億ドルへの倍増、平成20年度円借款として900億円の供与を決定した、また、インドネシアに対して「貿易金融支援イニシアティブ」の活用を含めJBICによる総額5億ドル以上の貿易促進のための支援を早期に実現できるよう調整を進めたい旨述べた。

 さらに、麻生総理より、保護主義の台頭には十分警戒していきたい、そのため、昨年発効した日本インドネシア経済連携協定(EPA)を円滑かつ着実に実行して、経済関係を発展させていきたい、またインドネシアからのLNGの安定供給は重要であり、この点についてもユドヨノ大統領の理解を得たい、さらにインドネシアが日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定を早期に締結することを期待する旨述べた。

 これに対し、ユドヨノ大統領より、謝意が表明されるとともに、貿易金融支援イニシアティブについては、インドネシア側の調整を早期に終わらせて、日本からの支援をいただけるよう努力したい、保護主義への警戒については同意見であり、EPAを着実に実施して、両国の自由貿易が阻害されないようにしたい、エネルギーについては、インドネシアはエネルギー分野の投資を必要としており、石油、天然ガス、石炭の分野における日本の投資が拡大することを期待する、日本はインドネシアが困難なときに助けてくれていることを非常にうれしく思う、インドネシアの親友、さらには信頼できるパートナーとして、日本の支援に感謝するとともに両国の協力関係がさらに拡大することを期待する旨述べた。

3.北朝鮮問題

 麻生総理より、北朝鮮は4月4日~8日の間にミサイルまたはロケットを発射すると表明しており、日本として発射を思いとどまらせるよう外交努力をするが、もし北朝鮮が発射を強行したら安保理決議第1718号違反として安保理での議題にして安保理決議等の対応を検討したい、その時はインドネシアにも連絡するので力を貸してほしい旨述べた。

 これに対し、ユドヨノ大統領より、インドネシアも本件は地域の平和と安定を損なうものであり北朝鮮の問題を非常に心配している、政治的解決のための努力を尽くすべきであるが、仮に北朝鮮が発射を強行した場合には、安保理の議題とすべきであると考える旨述べた。

4.パキスタン支援国会合

 麻生総理より、日本は4月17日にパキスタン支援国会合を開催する予定であり、インドネシアの参加と会合の成功に向けた協力をお願いしたい旨述べた。

 これに対し、ユドヨノ大統領より、会合への出席について積極的に検討したい旨述べた。

 最後に、ユドヨノ大統領より、改めてインドネシアに対する日本の支援に謝意の表明がなされた。

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