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1. 安倍晋三日本国内閣総理大臣及びスシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア共和国大統領は、2007年8月20日、ジャカルタにて会談し、気候変動、環境及びエネルギー問題に関し、包括的な意見交換を行った。
2. 両首脳は、これらの問題が、2006年11月28日に両首脳が署名した日本・インドネシア共同声明「平和で繁栄する未来へ向けての戦略的パートナーシップ」の下で取り組むべき重要な課題であることを確認した。
3. 両首脳は、また、2007年12月3日から14日までバリで開催される国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第13回締約国会議(COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)の成功を確保するため、両国が緊密に協力していくことを確認した。
4.両首脳は、UNFCCCの下で、すべての主要排出国が参加する、2013年以降の実効的な気候変動枠組への参加の決意を表明した。安倍総理は、すべての国が気候変動問題に対処するため、2007年5月に発表した「美しい星50」(Cool Earth 50)の提案を詳しく説明した。ユドヨノ大統領は、「美しい星50」の提案を、12月3日から14日までバリで開催される国連気候変動会議(COP13及びCOP/MOP3)への重要な政策的インプットとして、高く評価するとともに、この会議を成功させるために両国が建設的に作業を進めていくことを確認した。
5. 両首脳は、特に温室効果ガス濃度の安定化のために、二国間、地域及び国際社会のレベルにおいて協力を強化していく必要性を強調した。
6.地球温暖化とその深刻な影響に効果的に対処するために、日本及びインドネシアは、以下のことが極めて重要であると考える。
両首脳は、これらの分野における両国間の一層緊密な協力は、気候変動問題への対処及び持続可能な発展の促進という共通の目標に取り組む上で、重要な意義を有するとの認識で一致した。
7.ユドヨノ大統領は、第2回東アジア・サミットにおいて安倍総理が発表した日本のエネルギー協力イニシアティブに対し、深甚なる謝意を表明した。両首脳は、「東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣言」に基づいて、特に気候変動及び環境問題に焦点を当てることとなる第3回東アジア・サミットの成功に向けて、協力していく意向を表明した。両首脳は、特に、エネルギー効率向上のための自主的な目標及び行動計画の策定の重要性を再確認した。
8.両首脳は、エネルギー安全保障は両国の互恵的発展にとって重要である旨述べた。安倍総理は、インドネシアから日本へのエネルギー資源の安定供給は重要であり、とりわけ、液化天然ガス(LNG)の安定供給は両国間のエネルギー協力発展の基礎を成すものである旨強調した。さらに両首脳は、この安倍総理のLNG安定供給に関する発言及びインドネシア国内のエネルギー需要を満たすことの重要性を踏まえ、日インドネシア経済連携協定の下でのエネルギー協力を含め、両国のエネルギー安全保障を強化するために協力していく意向を改めて表明した。
9.両首脳は、特に油田・ガス田その他のエネルギー源の発掘を目的とした、インドネシアにおけるエネルギー資源探査・開発活動への日本からの投資の拡大が両国のエネルギー安全保障のために重要である旨述べた。ユドヨノ大統領は、法的安定性及び政策的一貫性の確保並びにビジネス・コストの軽減を通じて投資家に有利な投資環境を整備するための改革プログラムを、今後とも維持していく旨述べた。
10.両首脳は、発電所や送配電網等エネルギー・インフラの能力拡充が持続的発展のために重要であるとの見解で一致した。
11.両首脳は、エネルギー資源の貿易における海上輸送路(シーレーン)の安全確保が重要であるとの認識を表明し、この分野における協力を強化していくとの決意を表明した。ユドヨノ大統領は、マラッカ・シンガポール海峡の沿岸国として、同海峡における安全確保のための努力を継続するというインドネシア政府のコミットメントを再確認した。安倍総理は、マラッカ・シンガポール海峡の航行援助施設等の整備等についての両国間の協力を民間セクターと共に推進すること、及び海峡沿岸国の海上保安機関の能力構築を支援することに関し、日本として一層の貢献を行っていく旨表明した。2005年6月の「海洋問題に関する日インドネシア共同発表」に関連し、ユドヨノ大統領は、日本政府の無償資金協力により建造された巡視船艇が2007年末までにインドネシアに引き渡されることへの謝意を表明した。
2007年8月20日、ジャカルタにて署名した。