松本外務大臣

松本外務大臣の沖縄訪問(概要)

平成23年5月28日

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    グラック在沖縄四軍調整官との意見交換
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    仲井眞沖縄県知事との意見交換
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    JICA沖縄国際センター視察

  5月28日,松本外務大臣は,沖縄県を訪問し,仲井眞県知事及び在沖縄米軍四軍調整官グラック中将との意見交換等を行ったところ,概要以下のとおり。

1.仲井眞県知事との意見交換

  1. (1)仲井眞知事から,沖縄はいろいろな形でアジア太平洋地域と関わりを持っており,交流の拠点として,外務省の仕事とも大いに関係がある旨指摘し,沖縄を訪問する中国人観光客への数次ビザの発給を歓迎する旨,また,来年5月に沖縄県名護市で太平洋・島サミットが開催され,その関連で宮古島市において高校生サミットが開催されることに感謝する旨発言。普天間飛行場の移設問題については,地元の理解を得られない移設案は事実上不可能であり,昨年5月の日米合意を見直し,県外に移設することを求める旨,また,原点に立ち返り同飛行場の危険性の一日も早い除去及び騒音の抜本的な軽減に取り組んでほしい旨述べるとともに,米軍人による事件・事故の抜本的改善,環境,刑事裁判権等に係る地位協定の抜本的な改善について要請し,これらを含む要望書を大臣に手交した。 
  2. (2)(ア)これに対し,大臣から,普天間飛行場の移設問題に関し,昨年5月の日米合意に至るまでの経緯についてのお詫びを伝達するとともに,同合意において専門家の議論を踏まえて代替施設について次回「2+2」で決定することとされており,次回「2+2」は6月下旬に開催する見込みである旨説明。また,沖縄県からの要望書について,事件・事故や騒音の問題についてしっかり在沖縄米軍にも申し入れていきたい,飲酒運転を公務として扱う余地が残っている問題についても,自分自身が指揮しつつ引き続き米側との調整に努力したい旨発言。また,災害対応等のための基地への立入りのための現地実施協定について,外務省として積極的に支援していく考えであり,具体的な進め方について県ともよく話し合っていきたい旨述べた。
    (イ)さらに,大臣から,沖縄を訪問する中国人観光客への数次ビザの発給については,初めて数次ビザを導入するものであり是非活用してほしい,太平洋・島サミットについては県に協力をお願いしながら成功させたい旨発言した。

2.グラック在沖縄四軍調整官との意見交換

  1. (1)大臣から,在沖縄米軍の日頃の任務達成のための努力に敬意を表するとともに,今回の東日本大震災における米軍による「トモダチ作戦」に改めて謝意を表明し,作戦に参加した在沖縄米軍の各司令官(第18航空団司令官ウィルズバック准将,沖縄艦隊基地司令ウェザーズ大佐等)に対し,感謝の盾を授与した。
  2. (2)大臣から,防災に係る地方公共団体との協力を要請した。事件・事故について,前任の四軍調整官が発表した飲酒規制の強化,生活指導巡回の拡充,事故時の心得を記した車両ステッカー等の取組みの継続・徹底を含め,引き続き事件・事故の防止に取り組むよう,また,航空機騒音問題については,平成8年の日米合同委員会合意による騒音規制措置の主要な項目を一つ一つ読み上げつつ,同措置を遵守するよう申し入れを行い,近日中に離任するウィルズバック嘉手納基地司令官に努力をねぎらいつつ後任に同措置遵守を含め地元との関係を大切にするよう申し送ってもらいたい旨要請した。
  3. (3)これに対し,グラック四軍調整官から,防災については自らコミュニティの一員であるとの認識の下に検討していきたい旨,事件・事故は同席の各司令官を含め注意を払っている,「一つでも多すぎる(One is too many.)」と考えており,できればゼロにするのが目指すべき方向である,騒音についても,22時から6時の間の飛行は運用上必要なものだけに制限していることを含め騒音防止措置に係る日米合意を遵守していく旨述べた。

3.その他,国立沖縄戦没者墓苑等を訪問するとともに,JICA沖縄国際センターを視察して途上国からの研修生との意見交換を行った。