平成17年6月13日
外務大臣は、6月7日(火曜日)から6月11日(土曜日)まで、ブルネイ、ベトナム及びカンボジアを訪問し、各国要人との会談を行ったところ、概要以下のとおり。
モハメッド外相との会談において、ブルネイは、これまでの国連に対する日本の貢献に鑑み、日本には安保理においてより大きな役割を果たしてほしい、日本の常任理事国入り支持の立場を確認する、枠組み決議案については現在種々の提案があるので検討に時間を要する旨述べた。
また、同国との経済連携については、日ASEAN包括的経済連携協定交渉の下での二国間協議を進めていくことで一致した。更に、ブルネイよりアジア海賊対策地域協力協定につき締結を検討したい旨述べた。
カイ首相への表敬において、ベトナムは日本の常任理事国入り及び枠組み決議案について支持する旨及び国連総会に提案する際にはベトナムは賛成票を投じる旨の表明があった。ニエン外相との会談では、ベトナムはどんな圧力を受けても日本の常任理事国入りを支持する、これはベトナムの原則的立場であるとの発言があり、枠組み決議案の修正案の内容については真剣に検討するとのことであった。
また、ベトナムのWTO加盟について実質合意をした他、カイ首相訪米帰路に日本に立ち寄ることを提案した。また、ルオン国家主席の来年2,3月頃の訪日について提案した。その他、両国間の文化交流や経済協力について話し合った。
ハオ・ナムホン副首相兼外相との会談において、日本の常任理事国入りについてのカンボジアの支持は不変である旨発言があった。フン・セン首相への表敬では、同首相から枠組み決議案には賛成するが、共同提案国についてはもう少し状況を見つつ判断をしたい、との発言があった。
また、6件の無償資金協力に関する交換公文の署名式をフン・セン首相立ち会いの下、ハオ・ナムホン副首相兼外相との間で行ったほか、ハオ・ナムホン副首相兼外相とクメール・ルージュ裁判をはじめ二国間の問題につき議論を行った。
(1)今回訪問したいずれの国からも、日本の常任理事国入りについて引き続き支持する旨の表明があり、とりわけベトナム及びカンボジアからは枠組み決議案に賛成するとの発言があったことは大いに評価できる。
(2)枠組み決議案の共同提案国になることについては、各国とも引き続き検討したいとの発言があり、国連・安保理改革の実現に向け、我が国として引き続き働きかけを強めていく必要がある。
(3)国連・安保理改革以外の分野においては、とりわけベトナムのWTO加盟に関する我が国との二国間交渉が、カイ首相訪米直前のこの時期に合意に至ったことが非常に意義深い。