高村外務大臣

高村外務大臣の第62回国連総会出席
(概要)

平成19年10月2日

 高村外務大臣は9月28日から29日までニューヨークを訪問し、第62回国連総会にて一般討論演説を行った。また、障害者権利条約に署名するとともに、潘基文国連事務総長のほか、ミャンマー、ドイツ、シンガポール、中国、韓国の外務大臣と会談したところ、概要は以下のとおり。

1.日程

日付 内容
9月28日(金曜日) 午前 ニューヨーク着
午後 日ミャンマー外相会談
障害者権利条約の署名
日独外相会談
日シンガポール外相会談
潘国連事務総長との会談
国連総会一般討論演説
9月29日(土曜日) 午前 日中外相会談
日韓外相会談
午後 ニューヨーク発

2.概要

(1)一般討論演説

 高村大臣より、日本と国連が協力すべき分野として、気候変動とアフリカの重要性を強調。G8北海道洞爺湖サミットや、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)等を通じ、我が国としても国際的な取り組みに積極的に貢献していく考えを表明。また、平和構築、北朝鮮問題、ミャンマー情勢、軍縮・不拡散、テロとの闘い等に触れ、こうした課題に効果的に対処するために、国連改革、特に安保理改革が必要であることを訴えた。

(2)障害者権利条約の署名

 高村大臣は、国連本部において障害者権利条約への署名を行った。

(3)各種会談

(イ)日ミャンマー外相会談(28日午後)

 ミャンマーにおけるデモに関し、高村大臣より、治安当局による実力行使が行われ、邦人1名が死亡する事態に至ったことは極めて遺憾である旨抗議し、真相究明及び邦人の安全確保のための適切な対応を申し入れるとともに、対話を通じて事態を収拾させるべきである旨申し入れた。これに対し、ニャン・ウィン外相は、日本人が亡くなったことは大変申し訳ない旨述べ、事態の沈静化に向け自制していきたい旨述べた。

(ロ)日独外相会談(28日午後)

 高村大臣より、来年、我が国はドイツからG8議長国を引き継ぐところ、両国が緊密に協力を強化し、国際的な課題に共に取り組んでいきたい旨述べた。インド洋における海上自衛隊による補給活動については、大臣より、新内閣の下でも活動を継続できるよう最大限努力するとの方針に変わりはない旨述べたところ、シュタインマイヤー外相より、ぜひそうしていただきたい旨応じた。両外相は、また、気候変動・エネルギーや安保理改革においても日独の緊密な協力を進めていくことを確認した。

(ハ)日シンガポール外相会談(28日午後)

 高村大臣より、27日のASEAN外相会合におけるミャンマーについての声明発出を高く評価。ガンバリ事務総長特別顧問訪問の際には、ミャンマー政府が具体的な改善案を示すことが重要である旨述べた。ジョージ・ヨー・シンガポール外相より、邦人の犠牲者に対し深甚なる弔意が示され、政権側とアウンサンスーチー女史がよく話し合い民主主義プロセスを進めていかなければならない旨述べた。

(ニ)潘国連事務総長との会談(28日午後)

 双方は、日本と国連の関係を更に深めていくことで一致。ミャンマー情勢に関し、高村大臣から、ガンバリ事務総長特別顧問の努力を国際社会が支持することが重要と述べたのに対し、事務総長より、ミャンマー政府が話合いを通じて正しい解決方法を見出すべき旨述べた。テロとの闘いに関し、潘事務総長より海上阻止活動に対する日本の支援継続への期待が表明され、高村大臣より、補給活動継続のために全力を尽くしたい旨述べた。また高村大臣より、安保理改革につき、今総会会期中に成果を出す必要性を訴えた。

(ホ)日中外相会談(29日午前)

 双方は、日中間で「戦略的互恵関係」を築いていくとともに、福田総理のできるだけ早期の訪中を実現すべく努力していくことで一致。また、高村大臣より、来年春頃の胡錦濤主席の訪日への期待を述べたのに対し、楊部長から実現への意欲が示された。ミャンマー情勢について、高村大臣より、邦人1名を含む死傷者の発生は遺憾である旨述べ、中国からミャンマーへの働きかけを要請したのに対し、楊部長より、亡くなった邦人記者への弔意が表明され、流血を避けるため最大限努力したい、全ての当事者の自制が重要である等の発言があった。その他、東シナ海資源開発問題、台湾をめぐる問題、安保理改革等について意見交換を行った。

(ヘ)日韓外相会談(29日午前)

 日韓関係について、両外相は、1998年の「日韓共同宣言-21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ-」を出発点とする未来志向の日韓関係を一層発展させていくことで一致した。北朝鮮問題については、宋長官より、10月2日から4日までの南北首脳会談を通じて、南北関係を進展させ、朝鮮半島の非核化・平和につなげていきたい旨発言し、高村大臣より、同会談の成功を祈念する、拉致問題の解決を含め日朝関係につき引き続き協力を得たい旨述べた。

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