外務大臣

玄葉外務大臣の沖縄訪問(概要)

平成23年11月26日

  • (写真)玄葉外務大臣の沖縄訪問

 11月25~26日、玄葉外務大臣は、沖縄県を訪問し、仲井眞県知事等との意見交換等を行ったところ、概要以下のとおり。

1.仲井眞県知事との意見交換

  1. (1)仲井眞知事から、11月23日に日米両政府間で米軍属に対する裁判権に関する新たな枠組みに合意し、この枠組みが本年1月の沖縄市での交通死亡事故に適用されると報道されていることに関し、精力的な課題解決の取り組みであり、遺族の心情、県民の気持ちを考えれば、立派なことであり、県民の中には日米 地位協定の抜本的な改定という要求は強くあるが、一歩一歩、現実の問題を解決するということは重要であり、心から感謝する、良い日米関係構築のためにもさ らなる取り組みを心からお願いする、との発言があった。
  2. (2)これに対し、大臣から、今回の訪沖では、米軍属に対する裁判権に関する新たな枠組みに合意し、日米地位協定の重要な要素である刑事分野において具体的な進展を得ることができたので知事に直接報告したいと発言し、本件枠組みについて説明した。大臣から、先般の訪沖の際にも、知事を含め沖縄の方々から事件・事故、環境、騒音等の問題について御意見があり、本件については強い問題意識をもって、我が方から提起をして、今般の新しい枠組みに日米合同委員会で合意をした等述べ、本件合意の経緯について説明した。また、大臣より、本年1月の沖縄市での交通死亡事故については、現在に至るまで事案への対応手続が進行中であったことに鑑み、この枠組みを適用することになった次第につき説明するとともに、今後も、同様のケースについては、通常、米側からの好意的考慮が払われるものであると思っている旨述べた。さらに、大臣より、被害者である與儀功貴(よぎこうき)さんについて心からのお悔やみを述べ、今後も、一つ一つ、こうした事件・事故、環境、騒音の問題について努力をするべく全力を尽くしていきたいと述べた。また、振興策についても、内閣の一員として、沖縄のために精一杯努力したいと述べた。来年5月の名護市及び宮古島で開催される太平洋・島サミットについては、今月15日に、太平洋・島サミットの親善大使の委嘱状をフラガールに手交するとともに、サミットに向けた提言を有識者から受け取ったところであり、今後提言を踏まえてサミットに向けた内容を準備していくので、沖縄県からもアイディアがあれば歓迎したいと協力を呼びかけた。普天間飛行場の移設問題については、政府の考え方は従来とおりであり、引き続き沖縄の理解が得られるよう誠心誠意取り組んでいく旨述べた。
  3. (3)知事からは、普天間飛行場の移設問題に関しては、沖縄の意見は政府とは違うとの発言があり、振興策に関しては、一括交付金等、沖縄の提案を検討して欲しいとの要請があった。その他、アジアの成長力をいかに取り込むかという意見交換の中、知事からは、環太平洋パートナーシップ(TPP)に関し、沖縄ではサトウキビを中心とする農業、観光や漁業が非常に重要な産業であることからTPPには反対であるとの発言があった。これに対し大臣からは、日本は自由貿易を基本として活力を取り込んでいくことが重要であり、TPPに関してもしっかりと説明していきたいと述べた。

2.その他、外務大臣は、沖縄県立博物館、糸数壕を視察し、経済界の方々とも意見交換を行った。

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