平成19年8月22日
8月21日夕(現地時間)、ブラジル訪問中の麻生外務大臣は、アモリン外務大臣との間で約50分間、会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(1)経済関係
アモリン大臣より、両国間経済関係は、1980年代は伯(ブラジル)のハイパーインフレ、1990年代は日本の不況により停滞したが、現在はバイオ・エタノールやデジタルテレビといった今後の具体的協力案件があることに言及。アモリン大臣よりデジタルテレビに関し、日伯方式を第三国に普及させるべく両国の連携を深めたい旨述べ、麻生大臣も先般の菅総務大臣の当地訪問に触れつつ、第三国への普及のための協力に同意した。また、アモリン大臣より、バイオ・エタノールに関する作業部会を再開したいと述べたのに対し、麻生大臣より検討する旨応答し、我が国民間企業もバイオ・エタノール生産に関心を示していること及び実際にバイオ・エタノール及びガソリンのどちらでも使用可能なフレックス・カーに試乗したが、加速が良かったことを紹介した。
(2)日伯交流年(日系移民移住100周年)
麻生大臣より、来年4月に我が国で行う日伯交流年の記念式典に伯側より代表者の出席を要請し、日本側実行委員会には多くの民間企業が名を連ね、現在80件以上の記念事業が登録されていることを紹介。アモリン大臣より、来年6月に伯で行う記念行事に皇族来訪をあらためて要請越すとともに、伯側組織委員会には現在100以上のプロジェクト案が提出されており、現在選定中である旨言及があり、日伯交流年の成功に向け互いに努力することで意見の一致をみた。
(3)在日ブラジル人問題
司法協力作業部会及び社会保障作業部会を9月中旬以降の両国にとって都合の良い時期に続けて東京で開催することに合意した。また、麻生大臣より、伯側が国外犯処罰につき迅速に対処していることに感謝の意を表明した。
安保理非常任理事国選挙につき相互支持を行うこと及び引き続き国連改革について意見交換していくことに合意した。
麻生大臣より、今回の中東訪問に触れつつ、平和と繁栄の回廊構想を推進していることを紹介したところ、アモリン大臣より、従来のプレーヤー以外の国が中東和平に関与して新しいアイデアを出すことは有益であるとし、我が国の構想は重要である旨言及があった。