
イスタンブール行動計画(Istanbul Plan of Action: IPoA)概要
平成23年5月13日
1章 序論
- 2001年のブリュッセル行動計画(BPoA)採択以来,3カ国しかLDCを卒業していないことに強い懸念。
- LDC諸国に大きな可能性。LDC諸国の特別なニーズに対処するための世界的なパートナーシップは,全ての人々の平和,繁栄及び持続可能な開発に貢献。
2章 ブリュッセル行動計画のレビュー
- BPoAは,LDC諸国の開発プロセスにおいて積極的な役割を果たす一方で,完全には達成されていない目標や行動有。
- 新たな行動計画に向けた教訓:LDC諸国の更なるオーナーシップ及びリーダーシップの必要性,生産能力の向上を通じたLDCの構造改革への更なる焦点,南南協力の枠組みでLDCを支援する途上国は新たな行動計画の実施に貢献しうること,開発戦略は輸出主導型の成長戦略を補完すべきこと等
3章 新たに強化された開発のためのパートナーシップ
- IPoA実施のために,LDC諸国,開発パートナー,南南協力の枠組みでLDC諸国を支援する途上国,ブレトンウッズ機関を含む国連機関,議会,民間セクター,市民社会等がそれぞれの役割を果たすことが必要。
取組の優先分野
以下の優先分野でLDC諸国,開発パートナーの取組を明記。
- 生産能力(インフラ,エネルギー,科学技術,民間セクター開発)
- 農業,食料安全保障,農村開発
- 貿易
- 一次産品
- 人間・社会開発(教育と訓練,人口と基礎医療,青少年育成,住居,水と衛生,ジェンダー平等と女性のエンパワーメント,社会的保護)
- 複合的危機及び新たな挑戦(経済危機,気候変動及び環境持続可能性,防災)
- 開発及び能力構築のための資金動員(国内資金の動員,ODA,対外債務,FDI,送金)
- グッド・ガバナンス
4章 行動計画実施における南南協力の補完的役割
- 南南協力は,人材・生産能力の構築,技術協力及びベスト・プラクティスの共有において重要。
- 三角協力を含むこのような協力は,国際社会によって支援されることを確認。
5章 卒業と円滑な移行
- LDCステータスに付随する支援策や恩恵の廃止は,円滑な移行戦略と整合的・段階的な実施の必要性。
- 円滑な移行プロセスを調査し強化するためのアドホックな作業部会の設立を国連総会に奨励。
6章 実施,フォローアップ及びモニタリング
- 経社理に対し,実質会期でIPoAの実施状況を定期的に議題に含めることを奨励。
- 国連地域機関は隔年でIPoA実施状況のレビューを実施。
- 国連事務総長はUN-OHRLLSの機能確保と能力強化の観点から報告書を作成し第67回国連総会に提出。
- 国連総会に対し,BPoAの実施につき,包括的なハイレベル中間レビューの実施や第5回国連LDC会議を開催につき,検討を奨励。