経済

国連ミレニアム宣言及びモンテレイ合意のフォローアップのためのOECD声明(概要)

 ミレニアム宣言、モンテレイ合意の実施、並びにミレニアム開発目標(MDGs)を含む国際的に合意された開発目標の達成に向けたコミットメントを再確認すると共に、以下、様々な分野における開発のための取組に言及。

1.経済政策

 各国が自国の経済、環境、社会の発展に対し一義的責任を有することを認識。共有された責任の原則に基づき途上国の繁栄を可能にするような国際的な環境の整備に努める(パラ2)。

2.アフリカ

 平和と安全、投資のための環境整備、内外の資本の動員、農業生産性の向上等、アフリカ諸国によるMDGs達成のための努力を多角的に支援する。国連諸機関や国際金融機関との協力関係を強化する(パラ3)。

3.人間の安全保障

 平和と開発の間の緊密な関係、「人間の安全保障」への国際協力の進展を認識すると共に、DACを通じ、国連その他の機関等と共に人道支援、治安部門の改革、紛争予防や平和構築を実施する(パラ4)。

4.貿易

 開放的で無差別な貿易システムの強化、ドーハ開発アジェンダの進展は世界の発展のために重要。ドーハ・ラウンドにより途上国が実質的利益を得られるよう努める。12月の香港閣僚会議を成功させ、2006年中に交渉を妥結させるために積極的役割を果たす。途上国の懸案・交渉能力への対処の観点から途上国が果たす役割も重要。途上国への技術協力の強化も重要であり、途上国の生産性の向上、新たな貿易機会の利用促進のため途上国との協力を進めていく(パラ5)。

5.投資

 開発における民間投資の重要性を認識。各国による良好な投資環境整備を支援。途上国の投資環境整備、インフラ整備のためのODAのより効果的な活用を支援。途上国の企業が成功するようその能力強化を支援。OECD多国籍企業行動指針の遵守を促進。人的資本への投資努力を支持し、このためPISA等を通じ高等教育の質の改善に取組む(パラ6)。

6.腐敗対策

 腐敗は発展と投資に際しての大きな障害であり、包括的な腐敗対策戦略を実行。国連腐敗防止条約の早期批准にコミットし、途上国における贈賄防止のための効果的なシステム構築を支援すると共に、共通の腐敗対策原則の採択等を通じて、開発協力における腐敗を防止すべく取り組む(パラ7)。

7.ODA

 モンテレイ合意で合意された援助総額の大幅な増額にコミット。5ヶ国がGNP比0.7%目標を達成し、7ヶ国が達成をコミット。新興ドナー(emerging donors)を含む全てのドナーに最善を尽くすよう求める。援助の予測性向上が重要。開発のための資金を増やすため、革新的な措置が提案されている(パラ8)。

8.援助効果向上

 より効果的な援助の利用が重要。今後、「援助効果向上のためのパリ宣言」に盛り込まれたコミットメントの実施状況を定性的・定量的にモニタリングする。2010年までに途上国おいて効果的な統計システムが整備されるよう協力する。DAC諸国は、援助のアンタイド化の勧告の完全実施に努力すると共に、今後のアンタイド化の対象範囲の拡大、可能性について研究する(パラ9)。

9.債務削減

 拡大HIPCイニシアティブの完全実施へのコミットメントを再確認。長期的な債務の持続性を確保するため、更なる債務救済の必要性を認識(パラ10)。

10.民間の資金流入

 開発途上国への民間の資金流入、送金の価値を認識。これらが産業の発展、雇用等への影響を高めるよう必要な環境整備を支援する(パラ11)。

11.環境

 気候変動、生物多様性等の環境面での課題へ引き続き取り組む。十分かつクリーンなエネルギーの確保は全ての国の利益であり、環境問題に対処しつつ投資の促進を図っていくことが重要。引き続き開発協力プログラムに環境問題の視点を取り入れていく(パラ12)。

12.非加盟国との協力

 OECDの経験、ベストプラクティスを共有するため、途上国との連携を強化していく。そのために、投資、税制、貿易等の各分野での能力開発等を通じたアウトリーチ活動を強化(パラ13)

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