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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成28年3月10日
評価責任者:国別開発協力第二課長 田中 秀治

1. 案件概要

(1)供与国名

インド

(2)案件名

官民連携インフラ・ファイナンス促進計画

(3)目的・事業内容

インド・インフラ金融公社(IIFCL)を通じて, インフラ事業者等に対し,インフラ整備に必要な中長期資金を供与することにより,官民連携による社会基盤インフラの整備促進を図り,もってインドの民間資金の活用を通じた経済成長の促進に寄与するもの。

(ア) 主要事業内容

  • 資金供与(IIFCLからの転貸を通じたツーステップローンの実施)

(イ) 供与条件

供与限度額 金利 償還(うち据置)期間 調達条件
500.00億円 変動金利
(円LIBOR±0bp)
20(6)年 一般アンタイド

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(ア) EIA(環境影響評価)

本計画は,供与前にサブ・プロジェクトが特定できず,かつ,そのサブ・プロジェクトが環境への影響を及ぼす可能性があり,実施機関により,サブ・プロジェクトごとに必要となる対応がとられる予定。

(イ) 用地取得

実施機関により,サブ・プロジェクトごとに必要となる対応がとられる予定。該当のサブ・プロジェクトについては,実施機関が住民移転計画等をJICAに提出の上,JICAの同意を得るものとする。。

(ウ) 外部要因リスク:特になし。

2. 資金協力案件の評価

(1)必要性

(ア) 開発ニーズ

インドにおいては,国内インフラの整備の遅れが,経済発展と貧困削減の鈍化の要因となっている。インフラ整備のための膨大な資金需要と限られた財政資金を背景に,インド政府は官民連携(PPP: Public-Private Partnership)による民間資金の活用を進めてきたが,近年,民間企業による対インフラ投資が減退しつつあることに加え,これまで国内インフラ整備における民間資金調達の中心であった商業銀行も,アセット・ライアビリティ・マネジメントの観点から,貸出と調達期間のミスマッチや,道路・電力等の特定インフラセクターへの与信集中度にかかるリスクが高まっていることにより,長期資金の供与を続けることが困難になってきており,本計画を実施するニーズは大きい。

(イ) 我が国の基本政策との関係

2006年5月に策定された「国別援助計画」においては,今後の対インドODAの重点目標として,(a)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追求するためのインフラの整備等),(b)貧困・環境問題の改善及び(c)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本計画は,IIFCLを通じたインフラ事業者への長期資金供与という観点から,国のインフラ整備に資する案件として上記(a)に資するものであり,我が国の基本政策とも合致する。

(2)効率性

他ドナーとの情報交換等を通じて,サブ・プロジェクトの重複を避けるのみならず,相互補完を強化することにより,効率的な支援を実施する。また,実施機関の環境社会配慮部門の強化等のために技術支援を実施し,効率的な運営を図ることとしている。

(3)有効性

本計画の実施により,インドにおいて官民連携(PPP)による社会基盤インフラの整備の促進を図り,インドの民間資金の活用を通じた経済成長に寄与することが期待される。運用・効果指標として,IIFCLによる総融資額及び件数のうち,PPP事業及び純民間事業への融資額及び件数の占める割合(事業完成2年後(2023年)見込み:70%)等を設定している。

3. 事前評価に用いた資料,有識者等の知見の活用

要請書,インド国別評価(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/indo.html),国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/index.html別ウィンドウで開く),その他国際協力機構から提出された資料。

案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html),借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/index.html別ウィンドウで開く)及び事業事前評価表 (http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html別ウィンドウで開く)を参照。

なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。

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