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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年9月10日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1. 案件名

1-1 供与国名

ウガンダ共和国

1-2 案件名

クイーンズウェイ変電所改修計画

1-3 目的・事業内容

本計画は,ウガンダ首都圏に所在するクイーンズウェイ変電所に132/33kVの変電圧設備3台を新たに整備し,増加した供給電力を直接受電及び配電出来るようにし(同変電所は,現在 33/kVの変電設備のみ),ウガンダ首都圏の経済社会活動に必要な電力量を安定的に供給できるようにするもの。供与額は,25.19億円。

  • 変電所建屋の建設。
  • 132/33kV変圧器(40MVA,3台),132kVガス絶縁開閉装置(8式),33 kVガス絶縁開閉装置(14式),132 kV設備制御・保護盤(9式)等の整備等。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(1)本計画は,クイーンズウェイ変電所の施設整備及び機材整備を主たる内容としており,特段の環境社会影響は想定されないところ,JICA環境社会配慮ガイドラインにおいてもカテゴリーC(環境社会への影響が最小限)に分類される。

(2)以下の事項が,ウガンダ政府により実施される必要がある。
ア 本計画工事着工前に用地取得及び整地が実施されること。
イ 持続的な運営・維持管理に必要な予算措置を行うこと。
ウ スペアパーツ等を遅滞なく調達・補充し,定期的なメンテナンスを確実に実施すること。

2. 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

(1)近年ウガンダは,約7%の高い経済成長を遂げており,2007年から2012年までの電力需要は年率9.7%で増加している。ウガンダ政府は,国家開発計画(2011年~2015年)において持続的な経済成長を通じた貧困撲滅を掲げており,水力,火力,地熱等を活用した発電所の計画を進めている。同計画に基づき,ウガンダ政府はブジャガリ水力発電所(2012年完成:250MW)を整備したものの,急増する電力需要に対応する変電圧設備整備は追いついていない状態である。

(2)特に,首都カンパラ首都圏の既存変電所(132/33kV)においては,約400MW(変電圧設備容量460MVA:力率0.87%)の配電量に対し,負荷率80%(最大320MW以下)で運用する必要がある。一方で,既にカンパラ首都圏の電力需要は,負荷率74%(最大297MW)に達しており,適正な負荷率の上限の目安となる80%に迫る事態となっている。電力の負荷率が80%を超える場合は,停電が頻発する等,経済及び社会活動に深刻な影響を及ぼすだけでなく,変電圧設備等にも過度の負荷が掛かり故障等の要因となる。そのため,変電圧設備を増設し,安定的な電力供給に対応できる施設整備を早急に行う必要がある。

(3)かかる状況をふまえ,ウガンダ政府は,首都カンパラに所在するクイーンズウェイ変電所において,新たに変電所建屋1棟及び132/33kV変電圧設備を3台設置し,ウガンダ首都圏の経済社会活動に必要な電力量を安定的に供給したいとしている。そのため同国は,本件計画に必要な資金につき,我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

(4)本計画は,2013年6月に開催したTICAD V(第五回アフリカ開発会議)において我が国が表明した民間の貿易投資を促進し,アフリカの成長を後押しするものに整合し,「インフラ整備に約6,500億円の公的資金の投入」を具体化するものであり,外交的意義が大きい。

2-2 効率性

(1)平成19年度,20年度に実施した「第二次地方電化計画」及び平成25年度に実施した「第三次地方電化計画」をふまえ,ウガンダにおいて運営・維持管理可能な機材を選定し,事業の効率的・効果的実施に努めた。

(2)将来の電力需要を見極めつつ,緊急性及び必要性を考慮し,機材の絞り込みを行った。

2-3 有効性

(1)カンパラ首都圏に所在するクイーンズウェイ変電所に132/33kV変電圧設備を新たに3台整備し,カンパラ首都圏の変電圧設備容量を現在の460MVAから700MVAに増加させ,ウガンダ首都圏の経済社会活動に必要な電力量を安定的に供給できるようにする。

(2)カンパラ首都圏において安定した電力供給が可能となり,経済成長を実現するための環境整備に寄与する。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ウガンダ政府からの要請書

(2)JICA事業化調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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