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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成27年2月12日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1. 案件名

1-1.供与国名

ルワンダ共和国

1-2.案件名

第三次地方給水計画

1-3.目的・事業内容

ルワンダの中でも特に給水率の低い東部県3郡(カヨンザ郡,ンゴマ郡,ガツィボ郡)を対象に,住民に安全な水を供給し,給水率向上に寄与することを目的として,涌水取水施設(2カ所)及び深井戸施設(1カ所)を建設するとともに,送水管(9km),公共水栓(79カ所)等を設置する。また給水事業体設立に係る支援や衛生啓蒙活動等の技術協力を実施する。供与限度額は10.13億円。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(1)本計画で特段否定的な環境社会影響は想定されず,JICA環境社会配慮ガイドラインにおいてもカテゴリーC(環境社会への影響が最小限)に分類される。

(2)以下の事項がルワンダ政府により実施される必要がある。
ア 本計画により整備された給水施設を適切かつ継続的に維持管理すること。
イ 活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2. 無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ルワンダは国家開発計画「VISION2020」(2000年)の中で,安全な水へのアクセス率を2017年までに100%とする目標を設定している。一方,本件対象地域を含む東部県7郡の給水率は,2011年時点で66.6%であり,全国平均値である74.2%と比しても低い水準にある。同国において水源は主に湧水,湖沼及び河川に頼っているが,水質に問題があるほか,特に地方の人々は遠方までの水汲みに時間を要し,地方開発の障害の一つとなっている。

(2)かかる状況から,ルワンダ政府は我が国に対して,給水率が低い東部県3郡(カヨンザ郡,ンゴマ郡及びガツィボ郡)における給水事情改善のための支援を要請したものである。また,本件はTICAD Vにおいて我が国が表明した「1,000万人に対する安全な水へのアクセス及び衛生改善」にも沿っており,支援を実施する必要性は高い。

2-2.効率性

(1)以前実施された類似案件のケニア「メルー市給水計画」(2001年~2003年)の事後評価等において,無償による施設整備に加え専門家派遣,青年海外協力隊派遣を含むJICAが実施した様々な形の協力を組み合わせて継続して行うことにより,ハード面のみならずソフト面の協力も同時に実施し,効率的な維持管理・無収水の削減等の案件の効果・持続性を高めることができたとの指摘がなされている。

(2)本件でも,地域における給水事業運営維持管理体制の強化を目指す「地方給水施設運営維持管理強化プロジェクト」(技術協力プロジェクト)を実施予定であり,同プロジェクトや本事業サイトに派遣されている青年海外協力隊(水の防衛隊)と連携しつつ,事業の効果・持続性を高めることとしている。

2-3.有効性

(1)給水施設の新設により以下の効果が見込まれる。
ア 対象地域の給水量が改善される。
   【2012年実績値954(m3/日) → 目標値(事業完成4年後:2020年)1,618(m3/日)】
イ 対象地域の給水人口が増加する。
   【2012年実績値47,693人 → 目標値(事業完成4年後:2020年)80,894人】
ウ 水運搬労働の負担軽減,衛生状況の改善が図られる。

(2)給水事業体設立に係る支援,衛生啓発活動により,給水施設の維持管理体制が強化される。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ルワンダ政府からの要請書

(2)JICAの協力準備調査報告書

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