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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年7月18日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1. 案件名

(1)供与国名

ルワンダ共和国(以下,ルワンダ)

(2)案件名

ンゴマ郡灌漑開発計画

(3)目的・事業内容

本計画は,ルワンダ東部県ンゴマ郡に位置する「ンゴマ22」サイトにおいて,丘陵地灌漑に必要な灌漑用貯水池及び灌漑施設の建設,資機材の調達,ソフトコンポーネントの実施,既存水田の区画整備を実施することによって,同地区における灌漑農業を可能とし,農業生産の安定と向上に寄与するものである。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がルワンダ政府により実施される必要がある。
ア 灌漑水路敷設のための用地取得に対する保障
イ 本計画により建設される灌漑施設を適切かつ継続的に維持管理すること。

2. 無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア ルワンダにおいて農業は,同国の中期5カ年計画においても,経済発展及び貧困削減を牽引する重要な産業分野と位置づけられており,灌漑や圃場整備の促進は貧困削減に大きく寄与するものとされている。

イ 一方,同国は国土の大部分が丘陵地であり,雨期の土壌浸食・土壌劣化や,灌漑システムの未整備に起因する,傾斜地での低い農業生産性や食糧不足の問題を抱えている。その対策として,同国政府は丘陵地灌漑整備計画を立案し,ドナーからの支援を受け,農地整備や土壌改良等を通じた農業生産の向上と持続的成長等を図っている。同国政府は,同計画に基づき約100ヶ所の農業用貯水池を建設し,10,000haに及ぶ灌漑地区の開発を目指している。

ウ 本計画が行われる「ンゴマ22」サイトは,ルワンダ全体の平均の農業経営規模に比べてはるかに小規模である。また,同サイトの農家の平均収入は裨益住民の生活レベルの全国平均を大きく下回る水準にある。さらに同地では,農地拡大の余地はなく,加えて灌漑施設は未整備の上,栽培技術水準は粗放的なレベルであるため,農業生産性の改善による生産増を図ることも極めて困難な状況にある。

(2)効率性

ソフトコンポーネントの実施により,適期適量・公平な水管理が行われ,持続的な灌漑農業の実践を通じ,農家の経営感覚が高まる。

(3)有効性

ア 本件実施により,以下の通り,農業生産性の向上が期待される。
【灌漑面積(ha)】2013年:26→2019年:265
【延べ作付面積(ha)】2013年:99→2019年:610
【戸当たり農業粗収益額(円/年/戸)】2013年:46,300→2019年:65,000

イ 個々の農家レベルにおいて,以下のとおり,トウモロコシやニンジン等,収益性の高い作物の収穫増につながる。
【作物単収増加効果・トウモロコシ(kg/ha)】2013年:4,000→2019年:6,000
【同・ニンジン(同)】2013年:10,000→2019年:25,000

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ルワンダ政府からの要請書

(2)JICAの準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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