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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年4月11日
評価責任者:国別開発協力第二課長 花尻 卓

1. 案件名

(1)供与国名

パラグアイ共和国

(2)案件名

「コロネル・オビエド市給水システム改善計画」

(3)目的・事業内容

パラグアイ中部に位置するカアガス県の県都コロネル・オビエド市において,既存浄水場(1986年)の老朽化及び水需要の急増に対応するために,同市の需要に適した規模の浄水場,送水管等の水道施設を新設することにより,同市の住民に安全かつ安定した水供給を図ることを目的とする。供与限度額は18.27億円。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

本事業は,実施機関所有の土地に,水道施設を新規建設するものであるが,同施設工事時に発生する騒音・粉塵等については,低騒音型建設機械の使用,また,道路散水を実施することにより騒音・粉塵発生の抑制を行う。なお,対象地域は,国立公園等の影響を受けやすい地域,また,その周辺には該当せず,自然環境への望ましくない影響は最小限と想定される。

2. 無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア パラグアイでは,経済開発戦略計画等において,全国の上水道普及率を2015年までに80.5%とすることを目標としているが,コロネル・オビエド市では未だ61%に留まっており,同市における上水道の改修・拡張が急務となっている。

イ コロネル・オビエド市の人口は,全国で5番目に多い6.16万人(2012年)であるが,取水及び浄水等の水道施設の老朽化が激しいことから,給水時間は16時間に制限され,水質基準を満たした安全な飲料水を十分に供給できない状況にある。

ウ 近年,同市の人口増加に伴い水需要も急増しており,現時点で保留となっているコロネル・オビエド市の水道使用申請は約2,000件にのぼっている。

(2)効率性

ア 新設予定の水道施設については,運転及び維持管理が容易で,シンプルな動力を用いた稼働を前提とした設計とする。

イ 施工体制は,現地労務者の能力を勘案し,日本の請負業者の下で現地労務を最大限に活用する。

ウ ソフトコンポーネントを通じて,浄水処理全般の技術指導を理論・実践の両面から行う。

(3)有効性

ア 本件水道施設を新設することにより,衛生的かつ安全な飲料水の十分な供給が可能となり,コロネル・オビエド市の給水人口が約37,000人から約52,000人に増加する。また,給水時間が16時間から24時間に延長する。

イ 水道施設の運用及び維持管理に係る技術指導を行うことにより,同施設運転管理員に正確な浄水知識が蓄積され,水道施設の運転管理技術が向上する。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

JICAの準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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