評価年月日:平成26年5月8日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史
ナイジェリア連邦共和国
オヨ州小学校建設計画
本計画は,オヨ州において,小学校36校,261教室等の学校施設の整備を行うことにより,就学環境が改善されること及び,初等教育へのアクセスが改善されることを目的とする。供与額は,12.77億円。
ア 本計画は,学校校舎整備を主たる内容としており,「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010年4月公布)上,環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。
イ ナイジェリア政府により,本計画により建設される教室等の維持管理,活動に必要な人的手当及び予算措置が適切かつ継続的に実施される必要がある。
ア ナイジェリアでは,1999年に9年間の基礎教育(初等:6年,前期中等:3年)の無償化・義務化がなされたことで教育の機会拡大については大幅に改善してきている一方で,学習環境の改善が大きな課題となっている。
イ 本計画の対象州であるオヨ州では,1教室あたり平均児童数が65人 (2012年)に達し,同国最低基準である1教室あたり40人を超過し,劣悪な環境下での学習を強いられており,教室の建替え・増設を通じた学習環境の改善が喫緊の課題となっている。
ナイジェリア小学校建設計画の事後評価等では,地方政府教育委員会,学校関係者及び学校運営委員会への学校施設の運営維持管理に関する啓発活動を実施することで,より良い維持管理やその維持管理体制の改善につながり,また,ナイジェリアで実施済の類似案件から現地業者活用の際には十分な品質を担保する為の施工管理体制の確保が重要であるとの指摘がなされた。本計画では同評価結果を踏まえ,以下により本計画を効率的に実施する。
ア 地方政府教育委員会,学校関係者及び学校運営委員会への学校施設の運営維持管理に関する啓発活動を実施するためのソフトコンポーネントを実施する。
イ 十分な品質を担保する為の施工管理体制を確保するため,適切な建設サイトの絞り込み・選定及び建設業者の入札参加資格(カテゴリー設定等)の適切な設定を行う。
学校施設の整備・改修により,対象校における利用可能教室数が239室から500室となり,対象地域の就学環境が改善され,初等教育へのアクセスが改善する。