評価年月日:平成26年6月23日
評価責任者:国別開発協力第一課長 宮下 匡之
ミャンマー連邦共和国
「工科系大学拡充計画」
本件は,ヤンゴン工科大学(以下YTU)及びマンダレー工科大学(以下MTU)の,今後の産業発展に特に必要とされる6学科を対象に,民間企業との連携を視野に入れた測定・試験機材を含む教育・研究機材及びそれらの機材の設置に必要な施設を整備することで,両校の教育環境の改善を図り,もって実践的な教育の実施及び研究能力の向上に寄与することを目的とするもの。供与限度額は25.82億円。
(1)施設整備予定地の整地,機材の据え付け場所の確保,インフラ(電力,LAN設備等)整備
(2)機材・施設の運用・維持管理に関わる予算配分
(1)ミャンマーではGDPに占める工業の割合が近年急増し,我が国からの同分野での進出企業数も増加しており,高等教育機関には実践力を伴った人材育成が求められている。また,各企業では個別の対応が難しい各種試験・測定サービスの提供への期待も高い。
(2)ミャンマー政府は,国内工科系トップ大学であるYTU及びMTUを工学系の高度人材育成の中核拠点と位置づけ,それぞれ下ミャンマー,上ミャンマー全域から優秀な学生を集め,近隣諸国に劣らない質の高い教育を目指している。
(3)しかしながら,両校とも,実験・実習用の機材・施設が不足し,実践力を持つ学生及び教員の養成が十分行われておらず,民間企業との接触も少なく,技術面での実習経験も不足している。
(1)機材選定基準については,ミャンマー側のカリキュラムとともに,大学教員の技術レベルとの整合性,維持管理能力を考慮した。
(2)既存施設を最大限活用しつつも,建物の強度等の関係から,既存施設への設置が望ましくない機材を配置するために新規に整備する施設の設計基準については,機材配置のために最小限必要な規模とし,効率的な運用を考慮した。
本計画の実施により、以下のような成果が期待される。
(1)COE-BE(中核研究拠点における学士課程)のG5(日本の大学の3・4年次に相当)以上の実験・実習機材が整備される(2014年:0学科→2019年:YTU,MTU合計で,6学科,計12学科)。
(2)両校で実践的な教育・研究実践力をもった卒業生及び教員が輩出される。
(3)民間企業への技術サービスが行われ(2014年:0件→2019年:12件),民間企業と大学との連携が強化される。
(1)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
(2)ミャンマー政府の要請書