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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年4月4日
評価責任者:国別開発協力第一課長 宮下 匡之

1.案件名

1-1.供与国名

ミャンマー連邦共和国

1-2.案件名

「通関電子化を通じたナショナル・シングルウィンドウ構築及び税関近代化計画」

1-3.目的・事業内容

ミャンマーにおいて,通関業務のみならず物流に係わる包括的な手続き支援システムとして世界的に優れている我が国の輸出入・港湾関連情報処理システム及び通関情報総合判定システム(NACCS/CIS)の技術を活用した電子通関システム(MACCS/MCIS)の構築により,ナショナル・シングルウィンドウの導入を含む通関手続きの効率化を図り,もって税関行政の改革及び近代化に寄与することを目的とするもの。供与限度額は39.90億円。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

ミャンマー財務省関税局に業務システムの運営・維持管理に必要な人材が配置されること。また,MACCS/MCIS導入に係わるミャンマー政府の方針が変更されないこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ミャンマーにおいては,労働集約型・輸出志向型産業を中心とした民間セクター開発を進めているものの,投資のボトルネックとして通関手続きを含む煩雑な行政手続等が挙げられる。通関システムを含む通関制度の整備はASEAN諸国内でも大きく出遅れており,世界銀行が公表しているロジスティクス・パフォーマンス・インデックスでは,域内最低の129位/155カ国(2012年)となっている。

(2)また,輸入量が年率25%で増加しているにもかかわらず,税収に占める関税収入は3.2%と他のASEAN諸国と比べても非常に低い水準にあり(カンボジア16.9%,ラオス・ベトナム9.6%),通関手続きの効率化・重点化による歳入基盤の強化と貿易円滑化の両立が重要課題となっている(出所:世界貿易機関(WTO)・貿易プロフィール,世界税関機構(WCO)・年次報告書2011-2012)。

2-2.効率性

導入するシステムの諸機能について,物流・通関業務の現状を踏まえ,過大な規模にならないよう設計した。

2-3.有効性

本計画の実施により,以下の成果が期待できる。

(1)貨物の通関所要時間が短縮される(基準値(2014年):簡易審査なし,書類審査1~3日/件。目標値(2019年):簡易審査3秒,書類審査平均2~4時間/件)

(2)通関手続きについて電子申告が可能となる(電子申告の割合:基準値(2014年):0。目標値(2019年):全体の90%)

(3)システム導入により,個々の税関職員の判断が均質化され,通関手続きの効率性が改善される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

(2)ミャンマー政府の要請書

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