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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年10月31日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1. 案件名

1-1. 供与国名

マラウイ共和国

1-2. 案件名

テザニ水力発電所増設計画

1-3. 目的・事業内容

本計画は,マラウイ南部のブランタイヤ県で稼働中のテザニ水力発電所内に,20メガワット程度の水力発電所を増設し,経済・産業基盤の強化に寄与するもの。供与限度額は57億7,200万円。

1-4. 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がマラウイ共和国政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備される発電所施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

(2)発電所の運転・維持管理に係る人的手当及び予算措置を行うこと。

2. 無償資金協力の必要性

2-1. 必要性

(1)マラウイ共和国の現在の最大電力需要は約350メガワットであるのに対し,電力供給は約288メガワットに留まっており,全国レベルで慢性的な電力不足が発生し,長時間の停電又は計画停電等により市民生活及び産業に甚大な影響を与えている。

(2)さらに,同国の最大電力需要は今後2020年までに毎年5%以上ずつ増加し,2030年には1,597メガワットになると予想されるため,電力供給力の向上は同国において最も緊急性の高い課題の一つである。

(3)マラウイ政府は,中期開発戦略である「マラウイ成長開発戦略II(2011-2016)」(MGDS II)において,エネルギー開発を9つの重点分野の一つとして挙げており,また国内経済状況の悪化を受け2012年9月に緊急発表された「経済復興計画」(Economic Recovery Plan)においては,電力不足が基幹産業に負の影響を与えているとして,2015年まで優先的に予算措置をするなど,改善に取り組んでいる。

(4)このような状況の下,マラウイ政府は,厳しい財政事情を踏まえ,同国の深刻な電力需給ギャップを解消し,電力供給力の向上を通じて市民生活を改善し,産業の基盤を強化するため,本件に必要な資金につき,我が国に対し無償資金協力を要請した。

2-2. 効率性

本計画を実施するに当たっては,先方実施機関の技術者に対して,現地での機材据付時に当該発電所の初期操作及び運転維持管理方法に関するOJT指導を行い,維持・保守管理の技術移転を確保するなど,事業の効率的・効果的実施に努める。

2-3. 有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

(1)水力発電所の最大出力について,2012年には92,700キロワットであったが,水力発電所一基増設により,2021年には最大出力 114,500キロワットが見込まれる。また,発電電力量について,2012年には620.8ギガワット時/年であったが,事業完成後,2021年には,782.8ギガワット時/年が見込まれる。

(2)発電容量向上を通じた首都リロングウェ市及び商業都市ブランタイヤ市への電力の安定供給により,市民生活の改善や産業基盤の強化に寄与する。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)マラウイ共和国政府からの要請書

(2)JICAの協力準備調査報告書

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