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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年3月20日
評価責任者:国別開発協力第一課長 宮下 匡之

1. 案件名

(1)供与国名

ラオス人民民主共和国

(2)案件名

国道16B号線セコン橋建設計画

(3)目的・事業内容

本事業は,フェリーに代わる渡河手段としての橋梁のセコン川への架橋により,安定的な交通の確保を図り,且つ国際物流の活性化,周辺地域の経済発展及び沿線住民の利便性の向上を図るもの。供与限度額は21.97億円。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

ラオス側により,当該施設の運営・維持管理のための費用が継続的に確保される必要がある。

2. 無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア ラオスでは,道路交通が主要な移動・輸送手段であり,旅客では約9割,貨物では約8割を占める重要な交通手段となっている。しかし,ラオス南部地域は,タイ・ベトナムと国境を接し,地域的な連結性の観点から道路整備の重要性は高いものの,山岳地帯が多いため整備が立ち遅れている。

イ これまでラオスでは,南部地域で国道9号線,国道13号線の橋梁整備,パクセ橋建設,第2メコン国際橋等,日本を含む各援助機関の支援を受けながら積極的に道路整備を行ってきたが,依然として雨期には道路ネットワークが機能不全に陥りやすい状況にある。ラオス南部を横断する国道16号線もその一つであり,タイ-ベトナムを結ぶ国道でありながら,セコン川によって分断されており,現在は渡河船が運行されているものの,渡河船の運行は不定期で,雨期には頻繁に運休するため,周辺住民の生活への影響が大きい。特に,セコン川以東(セコン県東部及びアタプ一県東北部)は,人口の9割以上が少数民族で構成されており,社会インフラの不足から,極度の貧困に苦しむ地域であるが,渡河船運休時には社会インフラへのアクセスや円滑な物流による経済活動が阻害され,「陸の孤島」と化しており,安定した交通の確保が急務となっている。

ウ 加えて,近年,鉱工業開発や水資源開発等プロジェクトサイト周辺も含めたラオス南部地域の開発ポテンシャルも顕在化しつつあり,安定的な交通の確保は,周辺住民の生活改善のみならずラオス南部地域の経済発展のためにも重要な課題となっている。

(2)効率性

ア 新橋及び取付け道路等を考慮した総事業費が最も経済的となること,住民移転,住居撤去及び用地取得等の環境社会配慮上の重大な問題が生じないこと等を考慮し,架橋位置を選定した。

イ 施工が困難でなく,事業費が最も廉価となるように配慮しつつ,供用後の維持管理に多大な負担がかからないことを考慮して橋種を選定した。

(3)有効性

本件の実施により,以下の成果が期待される。

1. 渡河所要時間が短縮される。

基準値(2013年)15分(待ち時間含む平均値)
→目標値(2020年)0.3分(走行中速度60キロメートル,橋長300メートル)

2. 渡河交通量の増大

基準値(2013年)235台/日(フェリー)
→目標値(2020年)516台/日(橋梁)

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ラオス人民民主共和国政府からの要請書

(2)ラオス国別評価報告書

(3)JICAの準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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