評価年月日:平成26年3月10日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史
ガーナ共和国
「セコンディ水産業振興計画」
本計画は,ガーナ共和国セコンディ・タコラディ州に位置するセコンディ漁港において,漁港施設の改善及び拡充(係留岸壁の延長・拡幅,製氷施設及び管理事務所の増設,連絡道路及び燃料供給施設の整備等)を行うもの。供与限度額18.25億円。
以下の事項が,ガーナ政府により実施される必要がある。
(1)本計画により整備される漁港設備の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
(2)必要な人的手当及び予算措置を行うこと。
(1)ガーナ国における水産業は,安価で国民の指向性の高い蛋白源である水産物の安定供給や,付加価値の高い水産物の輸出による外貨獲得,更には貧困層への雇用機会の創出及び地方漁村の生計向上等に重要な役割を担っている。
(2)セコンディ漁港は,同国において第2の規模を誇る漁港である。同港は我が国の水産無償資金協力(1996~1998年)により整備されたが,当該協力から15年が経過し,計画の2倍以上の漁船が利用する状況となっている。港湾施設の混雑や製氷能力の不足といった漁港機能の低下が問題となっている。
(3)同国の国家開発計画では,零細漁業の総合開発や既存水揚場の改善を目標としており,同港の所在するセコンディ・タコラディ州都の開発計画では2020年度を目標年度として「漁獲後損失を防ぐための漁業インフラ整備」,「食と安全と収益のための漁業振興開発」が重点戦略となっている。
必要性,効率性,裨益効果等を総合的に勘案し,先方政府とも調整の上,要請されたコンポーネントの絞り込みを行った。
(1)水揚岸壁及び準備岸壁の混雑が緩和されるほか(現状:400%→2019年:100%以下),岸壁背後に積み置かれる漁網の占有率が削減され(現状:70%→2019年:10%以下),同港における氷需要に対する充足率が向上する(現状:45.5%→2019年:70%以上)。
(2)岸壁の機能回復と関連作業の安全性の向上が図られるほか,漁港施設利用区分の明確化及び漁港管理者による施設利用の指導・管理の徹底により,公平で平等な施設運用が可能となる。
(3)漁船用の燃料供給施設の設置により,給油作業に伴う漁獲物や漁獲物保管施設への交差汚染の危険性が減少する。
(4)連絡道路の整備により,漁港に隣接する零細漁船の集積地との移動利便性が向上し,両水揚地間の物流が促進される。
(1)ガーナ政府からの要請書
(2)JICAの協力準備調査報告書