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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年11月15日
評価責任者:国別開発協力第二課長 花尻 卓

1. 案件名

(1)供与国名

エクアドル共和国

(2)案件名

チンボラソ県医療施設・機材整備計画

(3)目的・事業内容

本計画は,エクアドルの中部山岳地帯に位置するチンボラソ県の第一次レベル保健医療施設(保健センター2か所)と医療機材の整備を行うものである。本計画により,対象地域の医療サービスを改善し,住民に適切な医療サービスを提供することを目的とする。供与限度額は10億1,900万円で,保健センター2か所の建設及びX線撮影機材などの医療機材を供与する。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がエクアドル政府により実施される必要がある。

ア 本計画により整備される病院施設の運営に関し,必要な要員の人件費等の予算確保及び人員配置が適切に行われ,維持管理が適切かつ継続的に実施されること。

2. 無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア エクアドル政府は,国家開発計画「よき暮らしのための国家計画2009-2013」において,保健医療分野の施設・医療機材整備,保健医療サービスの普及・アクセス向上を重要政策課題としている。

イ 本件対象のチンボラソ県は同国山岳地域のほぼ中央に位置し深刻な貧困問題を抱えている。一方で,同国は全国的に人口増加の傾向にあり,チンボラソ県でも2007~2010年の4年間で第一次レベル保健医療施設利用者率が184%と急激な増加となっている。そのため,既存施設や機材での対応力を上回る需要増加を招いており,第一次医療施設で対応出来る患者が第二次病院に過度に集中することや,各医療施設の機材の損傷や劣化が慢性的に起きているといった問題が生じている。こうした背景から,我が国政府へ無償資金協力を要請してきたものである。

(2)効率性

ア 当初の要請では4カ所の施設の整備であったが,人口密度やアクセス状況,疫学的疾病状況等から判断し,我が国無償資金協力の対象施設を協力効果の高い2カ所に絞ることとした。

(3)有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

ア 本件施設(保健センター2か所)が整備されることにより,事業完成3年後には,年間約58,000件の患者対応(2012年約30,000件),約950件のX線撮影(2012年0件),約56,000件の臨床検査(2012年17,000件)が可能になる。

イ 予防啓発やX線撮影などの保健医療サービスの種類が拡充されることにより,保健医療の質が向上する。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)エクアドル政府からの要請書

(2)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

(3)エクアドル国別評価報告書

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