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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成26年4月16日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1.案件名

1-1.供与国名

ブルンジ共和国(以下,「ブルンジ」)

1-2.案件名

ブジュンブラ港改修計画

1-3.目的・事業内容

本計画は,ブルンジ最大の国際港ブジュンブラ港の施設改修を行い,同港の貨物取扱量の増大を図るものである。本件実施により,周辺国との貿易の促進及び輸出入貨物にかかる輸送コストの削減,湖上輸送の安全性の向上に寄与することを目的とし,コンテナターミナルの建設,船舶修理施設の建設,排水路の移設,またこれらに必要な機材の供与等を行う。供与限度額は28億円。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

ブルンジ政府により,以下の事項が実施される必要がある。

(1)本計画により整備された施設の運営・維持管理について,コンセッション契約により,適切かつ継続的に行われることを確保する。

(2)移設後の排水路には,濾過機能を持たせているが,その機能を維持するためにも定期的な清掃を適切に行う。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ブルンジは外港に面していないが,アフリカ大陸の中央に位置するタンガニーカ湖の最北端に位置し,コンゴ民主共和国,タンザニア,ブルンジ,ルワンダを結ぶ結節点となっている。同国首都にあるブジュンブラ港は1960年以前に整備され,同国内最大の貿易拠点となっている。ブルンジ経済は近年3%~5%の堅調な成長を続け近年輸入量が増加,例えば,南部アフリカからの輸入量は,2006年から2010年の間に倍増(約11万トン)しており,また,近年の周辺国の経済発展も相俟ってブジュンブラ港の取扱貨物が急増している。さらに国内に埋蔵する豊富なニッケル資源の開発が進めば輸出量の増加も見込まれている。このような取扱貨物の急増に対処し,域内における物流を活性化させるために,同港施設の改修・拡張が喫緊の課題となっている。

(2)ブルンジの第2次貧困削減ペーパー(PRSP2)においては「経済成長・雇用創出」が4つの柱のひとつに位置づけられている。この中で,質の高い経済インフラへのアクセス向上が重点課題として挙げられており,ブジュンブラ港を含むタンガニーカ湖上輸送の開発が優先プロジェクトとして挙げられている。ブジュンブラ港の拡充は,ブルンジの持続的経済成長にも資するインフラ投資となる。

(3)また,我が国は,2011年から2012年にかけて開発計画調査型技術協力「港湾マスタープラン調査」を実施し,同国内の港湾施設整備にかかるマスタープラン策定を行っており,本案件は同マスタープランに基づき要請されたものである。

(4)なお,我が国は,ブルンジに対する国別援助方針において,ブルンジ政府の持続的な経済成長への転換と社会開発基盤の整備への取り組みを支援するべく,「運輸インフラ・通関能力改善」,「農業開発支援」,「基礎的社会サービスの向上」を重点分野と定め,重点分野「運輸インフラ・通関能力改善」において港湾施設の整備への協力を掲げており,本計画は右重点分野に該当する。

2-2.効率性

(1)アフリカ開発銀行がブジュンブラ港を含むタンガニーカ湖の湖上輸送改善の支援計画を有しているところ,これら支援とあわせた相乗効果が期待される。

(2)港湾施設の維持管理体制構築のための支援について,ブルンジ政府はコンセッショネア契約等により民間に委託する計画であるため,本件計画の対象外とした。

2-3.有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

(1)ブジュンブラ港における取扱貨物の多くがコンテナ化されることにより,荷役効率が向上する。

(2)ブルンジ籍船舶の引揚げ船台での定期検査と修理が可能となり,湖上輸送の安全性及び安定性が向上する。

(3)取扱貨物量が12万2,800トン(2012年:基準値)から,29万6,100トン/年(2020年:事業完成4年後)に増加する。

(4)年間船舶修理隻数が0隻(2012年:基準値)から,大規模隻の修理5隻・小規模隻の修理18隻(2020年:事業完成4年後)に増加する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ブルンジ政府からの要請書

(2)JICAの準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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