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パキスタンに対する無償資金協力「ポリオ感染拡大防止・撲滅計画」に関する交換公文署名式について

平成25年3月11日

  1. 本11日(現地時間同日),パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて,河野章駐パキスタン臨時代理大使とカレン・アレン国連児童基金(ユニセフ)パキスタン副代表(Ms. Karen Allen,UNICEF Deputy Representative in the Islamic Republic of Pakistan)との間で,2億2,600万円の一般プロジェクト無償資金協力「ポリオ感染拡大防止・撲滅計画」(The Project for the Control and Eradication of Poliomyelitis)に関する交換公文の署名式が行われました。
  2. パキスタンは,世界的にもポリオ発症件数が多く,現在世界で3か国残るポリオ常在国(他はナイジェリア,アフガニスタン)の1つです。同国のポリオ発症件数は,我が国を含めた国際社会の支援により着実に減少してきましたが,2010年,2011年は,洪水の影響もあり,発症件数は144件,198件と増加しました。これを受けて,ザルダリ大統領は,2011年1月に国家緊急行動計画,2012年1月には改訂版・国家緊急行動計画を発表し,重点感染地域を中心とした接種活動の強化や,ポリオに関する正しい知識を広める上で重要な啓蒙活動の強化等の取り組みを開始しました。この結果,2012年のポリオ発症件数は58件と,前年に比べ顕著に減少しています。加えて同国では7月以降は雨期に伴う衛生環境の悪化によりポリオが流行する傾向があるため,ポリオ撲滅のためには,非流行期であるこの時期を捉えて対策を強化することが重要となっています。
  3. この計画は,ポリオ発症が確認された際に,それ以上の感染拡大を防ぐための一斉接種活動に必要なワクチン及び接種活動等に関する啓蒙活動を実施するために必要な資金を供与するものです。パキスタンでは,特にアフガニスタンとの国境周辺(ハイバル・パフトゥンハー州,連邦直轄部族地域,バロチスタン州)等の地域においてポリオの発症例が多く,この計画の実施により,これらの地域を中心とする感染拡大の防止が期待されます。

(参考)
パキスタン・イスラム共和国は,面積約79.6万平方キロメートル,人口1億8,071万人(2011/2012年度,パキスタン経済白書),1人当たりのGNI(国民総所得)1,372米ドル(2011/2012年度,パキスタン経済白書)です。

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