
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)第3次増資会合(概要と評価)
平成22年10月6日
4日および5日、ニューヨークにおいて、潘基文国連事務総長が議長を務め、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)第3次増資会合が行われた。我が国からは、伴野豊外務副大臣が出席した他、50のドナー代表およびオブザーバー(WHO等の国連機関、市民社会等)が参加した。また、4日夜には国連本部において潘基文事務総長主催レセプションが行われ、アフリカを代表してトゥーレ・マリ大統領が挨拶した。
1.ドナーによる拠出表明(5日)
- (1) 2011~13年の第3次増資期間向けに約25のドナーより総額約117億ドルの拠出表明がなされた。第1位のドナーである米国は世界基金に対する初の複数年プレッジとして3年間で40億ドルを拠出する旨表明し、第2位の仏は3年間で10.8億ユーロ(約14.8億ドル)を拠出する旨表明した。また、中国、ナイジェリア、チュニジア、南アフリカ等世界基金の被支援国からも拠出表明がなされた。
- (2) 我が国については、伴野外務副大臣が世界基金に対して当面最大8億ドルを拠出する旨表明し(副大臣スピーチ日本語、英語)、拠出表明額では米、仏、独に次いで第4位となった。我が国の貢献に対して、潘基文国連事務総長から伴野副大臣に感謝の意が直接表明された他、議場においては米と同様に参加者から盛大な拍手をもって歓迎された。
- (3) 今次増資会合におけるプレッジ総額は第2次増資期間におけるプレッジ総額を20%上回ったが、世界基金が提示していた3年間の資金ニーズ・シナリオ(130~200億ドル)の最低ラインには届かなかった。今後は、今次会合において拠出表明できなかったドナーについて、第3次増資期間中に機会を捉えて拠出表明を行うよう促していくこととなった。
2.世界基金の取組に関する協議(4日)
我が国を始め出席者からは、資金動員や事業管理の簡素化等世界基金の取組を評価しつつ、支援の効率性を高め援助効果を向上させ、ドナーに対する説明責任をより良く果たしていくべきであるとの指摘がなされた。具体的には、二国間支援との連携構築、途上国レベルでのパートナーとの連携強化、資金効率の最大化等の課題に関して、世界基金は一層努力していくべきであるとの課題が示された。