1.日程・場所
9月27日,ニューヨーク
2.参加国
(1) 16か国(日,米,英,仏,独,伊,加,露,中,印,韓,豪州,メキシコ,南ア,ブラジル,EU(キプロス(議長国)及び欧州委員会(EC)),国連が参加し,カタール(COP18議長国),NZ,シンガポール,デンマーク,バルバドスがオブザーバーとして出席。
(我が国からは,石井外務省地球規模課題審議官ほかが出席。)
(2) 議長はマイク・フローマン米大統領府国家安全保障次席補佐官。
3.議論の概要
(1)COP18での成果(AWG-KP,AWG-LCA及びADP)
ADPについては,バンコクで行った「ラウンドテーブル」により実質的な議論がスタートしたことを歓迎し,2020年以降の将来枠組みのビジョン及び野心の向上の2つのテーマについて引き続き自由な意見交換を行っていくことの重要性が確認されるとともに,AWG-LCA及びAWG-KPについては,本年末のCOP18でこれらの作業部会を終了させることが重要であることが指摘された。この中で,一部の国は,ドーハでは,KPとLCAの議論により注力すべきであるとの考えが出され,他の国からは,ADPは微妙なバランスのパッケージであり,ADPも同様に重要であるとの指摘が行われた。また,多くの国から2度目標との関係で野心のギャップを埋める努力をすべきとの発言が行われた。
我が国からは,(1)ADPの作業計画を策定し,来年以降のADPにおける交渉の段取りについて認識を共有すること,(2)AWG-LCA及びAWG-KPの既存の2つの作業部会を終了させることの2点を達成することにより,「2015年の新しい法的枠組みに関する合意に向け,交渉の基礎的なアレンジメントを整えた」との明確なメッセージを世界に発信することが本年COP18において目指すべき最大の成果である旨発言した。
(2)MEFアクション・アジェンダ
米国よりMEFとして排出削減に向けて具体的な課題に取り組んでいくことについて提案があり,この関連で建物のエネルギー効率化につきプレゼンテーションがあった。我が国から,米国の提案に賛同するとともに,スマートシティ,再生可能エネルギー,省エネルギーなどへの取組を紹介した。各国からは,他の国際機関の取組との重複を避けるべきとの意見もあったが,全体としては前向きな意見が多くみられた。今後,次回のMEFにおいて具体的な取組などについて議論を深めることとなった。
(3)将来の枠組み
将来枠組みについては,様々な意見が述べられつつ実質的な議論が行われた。全ての国への適用(applicable to all)と野心を深めることは必要であるが,この二つの目的は相反する関係にあり得ることが一般に認められた。ボトム・アップ・アプローチが全ての国への適用に資する一方で,トップ・ダウン・アプローチは野心を深められることから,両者を含むようなハイブリットなアプローチの必要性を主張する意見もあった。また,新たな枠組みには,柔軟性,動態性,国内事情を組み入れることが必要であるとの指摘が多くあった。この観点から,多くの参加国は国内事情を踏まえて緩和目標を策定することが必要であるとの発言があった。共通だが差異のある責任(CBDR)がどのように新たな枠組みに適用されるかにつき議論が行われ,また,附属書による適用の区別についても議論があったが,意見の一致はみられなかった。一方,各目標は異なるが,拘束性については同じであることが述べられた。
(4)資金
資金については,短期資金の実施状況,緑の気候基金設立に向けた取組,長期資金の多様な財源,特に民間資金を動員することの必要性などについて説明などがあった。資金に対する関心が,他の分野に比べて低い旨を指摘する発言もあった。
(5)その他
次回のMEFは2012年11月12日の週に開催する予定であることが表明された。