地球環境

国連環境計画(UNEP)第27回管理理事会/グローバル閣僚級環境フォーラム(概要と評価)

平成25年2月25日

1 日程

 2月18日(月曜日)から22日(金曜日)まで,ナイロビ(ケニア)において国連環境計画(UNEP)第27回管理理事会/グローバル閣僚級環境フォーラムが開催され,149か国の代表及び国際機関等が出席した。

2 会議の概要

 昨年6月に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)の成果文書「我々の望む未来」を実行に移すため,UNEPの組織強化,持続可能な消費と生産,化学物質と廃棄物の適正管理等について決定を採択したほか,地球環境に関わる広範な分野について活発な議論が行われた。

(1) UNEPの組織改革及び役割強化

 これまで58か国の代表で構成していた管理理事会(Governing Council)を全ての国連加盟国が参加する国連環境総会(United Nations Environment Assembly)に変更し,今後2年に1回開催することとした。また,グローバル閣僚級環境フォーラムに代わり総会にハイレベルセグメントを設置し,閣僚級出席者が地球規模の環境問題に対応するための政策的課題等について議論することとなった。

 また,全てのステークホルダーとの対話を促進し,透明性を高めるための仕組みづくりについて検討を進めることについて合意した。

 さらに,現行のUNEP事務局長の活動を通じ,UNEPが環境に関する国連のシステム横断的な取り組みに果たす役割を強化するべきであることが再確認された。

(2)適正な化学物質・廃棄物管理の推進

 国際的な水銀対策に関しては,本年1月の「水銀に関する水俣条約」の条文案の合意を歓迎するとともに,UNEP事務局等に対して「水銀に関する水俣条約の採択・署名のための外交会議」を本年10月9日から11日に熊本市及び水俣市で開催するよう要請した。また,同条約の早期発効に向け,各国政府に対して同条約の早期批准に必要な取り組みを進めることを奨励した。

 廃棄物管理については,UNEP全体の国際的な廃棄物管理の戦略や世界廃棄物概況を策定し,UNEP国際環境技術センター(UNEP/IETC)が実施している廃棄物管理のグローバル・パートナーシップを促進することについて合意した。

(3)持続可能な生産と消費(SCP)

 「持続可能な生産と消費に関する10年枠組み」について,各国及びステークホルダーに対して同枠組みへの参加を奨励するとともに,UNEP事務局長に対し,同枠組みの事務局長として,国連諸機関の間の調整グループ設置などを通じて加盟国への支援を提供すること等を要請した。

(4)その他

 「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」について,本年1月のIPBES第1回総会の結果を受けて,UNEPがIPBESの事務局機能を提供することが決定された。

 「気候技術センターネットワーク(CTCN)」について,国連気候変動条約第18回締約国会議の決定を受けて,UNEPが同センターを運営することが決定された。

2.評価

 今回の会議では,国連環境総会の設置等,UNEPが,国連システム内における持続可能な開発の環境の側面の実施に主導的役割を果たす上で必要となる組織改革および役割強化について合意され,リオ+20の成果を実現する道筋がつけられたことが主要な成果である。

 149か国が参加するなど各国の関心も高く,またUNEP決定の準備プロセスや閣僚級の関与などが明確化されたことにより,UNEPがこれまで以上に国連の環境政策の司令塔としての機能を果たしていくことが期待される。

 我が国は,本年10月の熊本市・水俣市での「水銀に関する水俣条約の採択・署名のための外交会議」の開催,及び大阪に本部を置くUNEP/IETCの活動への支援等,UNEPの主要な活動分野において引き続き連携していく。

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