軍縮・不拡散

核不拡散・核軍縮に関する国際委員会
-シドニーにおける第一回会合の結果概要-

平成20年10月

別添1:出席者(PDF)PDF 別添2:主要個別論点(PDF)PDF

1.経緯

 日豪共同イニシアティブとして立ち上がった本件委員会は、核兵器のない世界に向けた道筋を示すとともに、2010年NPT運用検討会議の成功に資するよう、現実的かつ実際的な勧告を含む報告書を提示することを目標とし、それまで少なくとも4回の会合を持つ。今回のシドニーでの会合はその第一回目。ラッド首相主催晩餐会に会合出席者が招待され、同首相、スミス外相が歓待。小島駐豪大使も出席し、麻生総理メッセージを代読。

【参考】

1.核不拡散・核軍縮に関する国際委員会

 本委員会は、本年7月の日豪首脳会談において、福田総理(当時)とラッド豪首相の間で、日豪共同イニシアティブとして立ち上げることが合意され、共同議長として川口順子元外務大臣とギャレス・エバンス元豪外相が任命された。また、本年9月の国連総会の際、麻生総理とラッド豪首相がニューヨークにおいて共同記者会見を行い、本件国際委員会の委員が確定したことを発表した。

2.本件第一回会合出席者は別添1(PDF)PDF参照。

2.報告書作成までの会合の日程

(1)10月20日及び21日 今次第1回会合(於:シドニー)

(2)2009年2月 第2回会合(於:ワシントン)

(3)2009年6月 第3回会合(於:モスクワ)

(4)2009年10月 第4回会合(於:日本)(報告書の取りまとめ)

3.第一回会合における議論の概要

(1)本件委員会のあり方

 現実的かつ実際的で、行動指向型の報告書をまとめ、各国の政治的指導者に働きかけ、実際の核軍縮等を促すことで合意。第2回をワシントン、第3回をモスクワで開催し政府への働きかけを行う。

(2)議論の出発点

 共同議長が提示した過去10年に生じた核の分野における挑戦(NPT枠外でのインド、パキスタンの核保有国としての出現、北朝鮮による核実験、イランによる拡散上機微な核活動の進展、9.11以降の核テロの危険性の増大、気候変動及びエネルギー安全保障への懸念により生じた発電としての原子力に対する関心の増大とそれに伴う不拡散上の懸念等)と、世界での重要な政策面・研究面の活動によって提示された新しい機会(特に米のキッシンジャー等による軍縮のための主張によって促進された高いレベルでの議論、米民主党・共和党綱領に示された前向きな姿勢)を議論の出発点とすることで合意。

(3)各論点に関する議論の概要(議論となった主要個別論点は別添2(PDF)PDF参照)

(イ)核軍縮

 核兵器のない世界に向けた具体的な道筋として、戦略核及び戦術核の廃絶に向けた「最後の踊り場」(Vantage point)をどう捉えるか、また、かかる「最後の踊り場」までのプロセス、そこからゼロに向かうまでのプロセスをどう構想するかを議論。

 また、米露の核兵器削減の重要性のみならず、英仏中を核軍縮プロセスへ参加させていく方途、インド・パキスタンを核軍縮・不拡散の枠組みに組み込む方途について意見交換した。北東アジア、南西アジア及び中近東の非核化については、地域的な会合を別途持つことで合意。

(ロ)核不拡散

 核テロ脅威の評価、核テロの脅威削減や、その防止措置(核防護等)を国際的に実施する方途、NPT等の不拡散義務の履行を確保していく手段、追加議定書の普遍化及びIAEAの強化、ミサイル技術管理レジームの強化、NPT上の脱退の権利の問題、非NPT加盟国への対応などを議論。

(ハ)原子力の平和的利用

 増大する原子力の需要に応えていくことの重要性と、これに伴う拡散のリスクを抑制する必要性について意見交換。

 原子力発電における、保障措置(Safeguards)、安全(Safety)及びセキュリティー(Security)を確保する手段を議論。燃料供給保証や、機微な段階を含む燃料供給サイクルの国際的な管理の方途、拡散対抗技術の有用性や、産業界の役割などを議論。


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