
アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
日本・ウクライナ協力委員会第2回会合
共同声明(仮訳)
2008年3月 東京
(英語版はこちら)
ヴォロジミル・オグリスコ・ウクライナ外相は、日本国政府の招待により、2008年3月24日から26日までの日程で日本国を訪問し、3月25日、高村正彦外務大臣と日本・ウクライナ協力委員会第2回会合を行った。同会合において、両大臣は、二国間関係及び相互に関心を有するグローバルな問題を含む幅広い諸問題について意見交換を行った。
- 両大臣は、2005年の「日本国とウクライナの間の21世紀における新たなパートナーシップに関する共同声明」以降の二国間関係の着実な発展を高く評価するとともに歓迎した。また、両大臣は、民主主義、自由、人権、法の支配、市場経済といった基本的価値を共有する日本国とウクライナとの関係を強化することの重要性に留意した。
- 両大臣は、ウクライナ首相の初の訪日を双方にとって都合の良い時期に実現するよう、訪日時期を外交ルートで調整していく意図を確認した。
- ウクライナ側は、同国の民主化及び市場経済への移行、ウクライナにおける保健・医療サービスの改善、並びにチェルノブイリ被災者のために日本が一貫した支援を行ってきたことへの謝意を表明した。
また、ウクライナ側は、同国の文化及び高等教育の振興、並びに同国における対日理解及び親日感情の醸成により、両国間の文化交流の発展に貢献する日本国の文化無償資金協力に対し、謝意を表明した。
日本側は、今後ともこれらの分野における支援を継続していく意図を表明した。
- 両大臣は、最近の二国間経済関係の発展、特に、2008年2月にウクライナで日本経団連ウクライナ部会とウクライナ対日経済協力調整会議との間で初の日・ウクライナ経済合同会議が開催されたことを歓迎した。両大臣は、二国間経済関係を一層促進する意図を表明した。
- ウクライナ側は、観光振興及び経済開発の分野におけるウクライナ政府の努力を支援するため、2008年2月に東京で観光振興ワークショップ及び中小企業振興ワークショップを開催した日本のイニシアティブに謝意を表明した。
- 両大臣は、すべての主要排出国が参加する2013年以降の実効性ある枠組みの構築を目指して、気候変動枠組条約の下でのプロセスにおいて緊密に協力していくことで見解の一致をみた。ウクライナ側は、日本国の「クールアース」イニシアティブを歓迎し、「クールアース50」及び「クールアース推進構想」において示された日本国の考え方について支持を表明した。
また、両大臣は、温室効果ガスの排出削減などウクライナにおける環境対策の促進をめざし、国連気候変動枠組条約の京都議定書の下でのグリーン投資スキーム(GIS)及び共同実施(JI)プロジェクトの早期実現に向けた日・ウクライナ間の協力を一層促進することを確認した。
- 両大臣は、日・ウクライナ科学技術協力委員会の第2回会合を本年秋以降に東京で開催することで調整していくことを確認した。
- 両大臣は、国際連合安全保障理事会の常任理事国及び非常任理事国双方の議席の拡大を含む国際連合安全保障理事会改革の早期実現のため協働して積極的に取り組んでいく決意を表明した。この文脈でウクライナ側は、日本国の国連安全保障理事会の常任理事国入りに対する力強い支持を繰り返し述べ、日本側は本支持に対する謝意を表明した。
- 両大臣は、相互に関心のある国際問題、特に 核問題及び拉致問題を含む北朝鮮情勢、欧州情勢等につき意見交換を行い、今後もこれらの問題に関し緊密な対話及び協力を継続していくことを確認した。両大臣はまた、2007年6月に開始した我が国と「民主主義と経済発展のための機構-GUAM」の枠組みにおいて、今後も二国間及び多数国間で対話を強化していく決意を確認した。
- 日・ウクライナ協力委員会の会合を定期的に開催することの重要性にかんがみ、両大臣は、両国外務省が本委員会の次回会合を、キエフにおいて、双方にとって都合の良い、かつ最も早いタイミングで、なるべく2009年に開催する可能性を検討していくことで一致した。