アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
平成18年11月6日
ジャカヤ・ムリショ・キクウェテ・タンザニア連合共和国大統領は、大統領夫人及び関係閣僚とともに10月30日(月曜日)から11月3日(金曜日)まで、我が国の招待(実務訪問賓客)により来日したところ、概要及び評価以下のとおり。
(1)来日中、キクウェテ大統領夫妻は、11月1日に天皇皇后両陛下との御会見を行った。また、同日、キクウェテ大統領は安倍晋三総理大臣と首脳会談を行い、その後総理主催夕食会に出席した。夕食会には、大統領夫人及び総理夫人も出席した。
(2)大統領は、滞在中、森喜朗元総理(日・AU友好議連会長)及び日・アフリカ連合(AU)友好議連議員との会談、矢野哲朗参議院自民党国会対策委員長他との会談、政府関係機関、日本企業関係者による表敬、タンザニア政府主催ビジネス・セミナーへの出席等、限られた日程の中で、数多くの我が国要人や幅広い官民関係者等との間で協議・意見交換を行った。
(3)この他、大統領夫妻は、タンザニアにおいてエネルギー問題が大きな課題の一つであることから、東京臨海風力発電所を視察する等、代替エネルギーの確保に対して大きな関心を示した。更に、大統領夫人は、安倍総理夫人とともに小学校視察を行い、教育問題について意見交換を行った。
(4)安倍総理との首脳会談の概要は以下の通り。
(イ)首脳会談においては、安倍総理より、タンザニアの民主化や社会・経済改革への努力及び地域の平和の定着への貢献について高く評価する旨、また、日本は、タンザニアをサブサハラ・アフリカの最重点支援国の一つと位置付けており、今後も支援を行っていく旨発言。これに対し、キクウェテ大統領より、国内の改革、外交政策についての説明があり、これまでの日本の支援への感謝を表明し、教育、情報通信技術、インフラ、エネルギー等の分野で、引き続き日本からの支援を期待するとともに、貿易・投資の促進も図っていきたい旨の発言があった。
(ロ)総理より、TICADプロセスを基軸とする我が国の積極的な対アフリカ外交の展開について言及し、2008年に開催予定の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)へのキクウェテ大統領の出席を求めたところ、大統領は自身が出席すると応じた。
(ハ)また、国連改革について、両首脳は改革の必要性について認識を共有、改革に向けて取り組んでいくことで一致し、タンザニアより、日本の安保理常任理事国入りへの支持が改めて表明された。
(二)総理より、北朝鮮の核問題及び拉致問題に関する説明を行い、キクウェテ大統領からは北朝鮮核問題に係る日本の立場への支持が表明された。また、キクウェテ大統領からは、北朝鮮はタンザニアが先般の安保理決議に賛成したことを不満に思っており、最早タンザニアの発言に耳を傾けない可能性もあるが、できることは何でも試みたい旨述べた。
(1)昨年12月に就任したキクウェテ大統領を早期に訪日招待し、そのアジア訪問の最初の訪問国として訪日が実現したことは、良好な二国間関係の証左でもあり意義深い。
(2)同国は東部アフリカ地域の安定勢力であり、また、キクウェテ大統領は今後のアフリカを担っていくリーダーと目されており、地域においても影響力を有している。今回の訪問により一層強化された良好な二国間関係は、今後、国連安保理改革を始めとする各種の懸案をめぐり我が国が対アフリカ外交を積極的に展開する上で重要な役割を果たすことが期待される。