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日露修好150周年記念式典及び講演会の開催

(写真)晴天のもとで開催された式典
晴天のもとで開催された式典

 4月16日、静岡県下田市において、日本国政府の主催で、小泉内閣総理大臣、町村外務大臣、小池内閣府特命担当大臣、ロシュコフ駐日ロシア大使他、国会議員、日魯通好条約調印の際の日露全権それぞれのゆかりの方々、地方自治体関係者、学生等の出席の下、日露修好150周年記念式典が開催されました。

 今回の式典は数多くの日露修好150周年事業の中でも中核となる政府主催の重要な行事であり、穏やかな晴天に恵まれて、会場には約500名の人が集まり、日露修好150周年を祝いました。

(写真)小泉総理大臣
小泉総理大臣

 1855年、「ディアナ」号で来航したロシア海軍のプチャーチン提督と日本側全権代表である江戸幕府筒井政憲、川路聖謨は、下田において交渉し、日魯通好条約が調印されました。その意味で下田は両国の歴史にとり記念すべき場所です。日魯通好条約の締結によって択捉島とウルップ島の間で国境が確定し、両国間に国交が樹立されました。

 交渉の途次、地震による津波で「ディアナ」号が失われるという事故が発生しましたが、ロシアの友人が無事帰国できるようにと、日本人の船大工たちとロシア人が協力して新艦「戸田」号を建設したという両国民の友情を物語るエピソードが残っています。式典には、プチャーチン提督と川路聖謨ゆかりの方々も駆けつけ、150年前の友情を今に蘇らせる意義深い式典となりました。

(写真)町村外務大臣
町村外務大臣

 式典は、海上自衛隊東京音楽隊による両国国歌吹奏と町村外務大臣の開会の辞で始まり、小泉総理は挨拶の中で、政治対話、経済、防衛、国際場裡における協力といった様々な分野において、日露行動計画に沿って両国関係が進展している旨指摘した上で、日露両国は、両国間に唯一残された障害である北方領土問題を解決し、今後の50年、100年を見据えて未来志向の新たな日露関係を築いていかなければならないと述べ、21世紀に相応しい新しい日露関係を作り上げることへの決意を示しました。

 続いて、ロシュコフ大使が、日魯通好条約に『今より後両国末長く真実懇に』と宣言されている祖先の高邁な意思を肝に銘じつつ、両国関係を多面的に発展させていくとのプーチン大統領のメッセージを読み上げました。

 参加者たちは、来賓の挨拶に続いて、日本の象徴とも言える桜(河津桜)の苗木を植樹し、日露の友好を祈念しました。

(写真)河津桜を植樹
河津桜を植樹

 その後、ロシアの人気バンドであるナイトスナイパーズのディアナ・アルベニナとTHE BOOMの宮沢和史のコラボレーションで「コーシュカ」、「島唄」などを披露。ディアナと宮沢氏は今年2月、モスクワで共演し、ロシアの観衆に熱狂的に受け入れられました。また、二人はこれを機に、互いの作品を自国語で歌ったCDを発表しました。

 二人の下田での共演は、未来の日露関係の発展を担う若い世代の登場を思わせる情熱溢れる舞台となりました。

 また、式典には海上自衛隊東京音楽隊も出演し、開式前の歓迎演奏、両国国歌の吹奏を行ったほか、記念コンサートのフィナーレとしてロシア民謡「黒いひとみ」を演奏し、大きな喝采のなかで記念式典の幕を閉じました。

小泉内閣総理大臣挨拶
町村外務大臣開会の辞
小池内閣府特命担当大臣のご挨拶
日露修好150周年記念式典プログラム

(写真)ナイトスナイパーズのディアナとTHE BOOMの宮沢和史の共演
ナイトスナイパーズのディアナとTHE BOOMの宮沢和史の共演

 同日午後には、下田市民文化会館において、約600名が集って記念講演会が行われました。

 講演会では、ロシア文学、日露交流史の著名な研究家である中村喜和一橋大学名誉教授が「下田からロシアを見る」と題して記念講演を行い、川路聖謨とプチャーチンが互いをどう評価していたのか、「戸田号」建造の意義、日本とロシアにおけるお互いの文学が与えた影響等につき語りました。満員の聴衆は熱心に聞き入って、日露関係の150年の歴史を振り返るとともに、これからの新たな日露関係につき思いを馳せていました。

 講演会の最後には、1994年のチャイコフスキー・コンクール(バイオリン部門)で最高位を獲得し、現在日本の大学で教授を務めるアナスタシア・チェボタリョーワが、日露の友好発展に思いを込めて、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ストラビンスキーなどロシアの作曲家の手による曲を7曲ほどを演奏し、聴衆は盛んな拍手を送りました。(記念講演会及びコンサートのリーフレット(PDF)PDF

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