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マルティネリ・パナマ大統領の訪日(概要)
平成24年10月24日
1. 日程概要
- (1)リカルド・マルティネリ・ベロカル・パナマ共和国大統領及び同夫人は,実務訪問賓客として,10月21日(日曜日)から24日(水曜日)の日程で訪日しました。同大統領には,ルークス外務大臣,ロイ運河担当大臣兼メトロ庁長官,リナーレス海運庁長官等が同行しました。
- (2)22日(月曜日)には,天皇皇后両陛下御会見,野田佳彦内閣総理大臣との首脳会談及び共同記者発表,並びに野田総理主催夕食会等が行われました。
- (3)また,同日,ルークス外務大臣と玄葉外務大臣との外相会談も実施されました。
2. 首脳会談概要
- (1)野田総理大臣から,マルティネリ大統領の来日を歓迎するとともに,東日本大震災に際してのパナマからの支援に対して改めて謝意を表しました。また,我が国が海運・通商の面でパナマと緊密な関係を維持していることを強調しつつ,今回の来日を契機に両国関係を一層深化させたい旨述べました。これに対し,マルティネリ大統領は,今回の訪日招待に感謝の意を表明するとともに,経済のみならず外交関係においても一層発展させていきたいと述べました。
- (2)野田総理大臣から,パナマのインフラ整備・鉱物資源開発を政府・企業ともに関心を持って見ており,日本企業が調査中のパナマの都市公共交通計画「メトロ3号線建設計画」に我が国の高度なモノレールの技術が活用されれば喜ばしい旨述べました。これに対し,マルティネリ大統領は,同計画への日本企業の参入と,日本の高度なモノレール技術に大きな期待を寄せました。
- (3)野田総理大臣から,パナマ運河の拡張を控え,我が国海運業界とパナマ運河庁との対話を促進することが重要である旨述べたのに対し,マルティネリ大統領は,双方の対話プロセスの重要性を強調するとともに,日本は運河拡張の利益を最も享受できる国の一つになるであろうと述べました。また,マルティネリ大統領は,パナマの近年の高い経済成長や,中南米におけるビジネス展開にあたってのパナマのゲートウェイとしての役割等を強調しました。
- (4)両首脳は,安保理改革を含む国際場裡における協力,2020年のオリンピック招致,太平洋同盟についても意見交換を行ったほか,マルティネリ大統領は日本の安保理常任理事国入りを支持しました。また,野田総理大臣から日中関係に関する我が方の立場を説明しました。
3. 外相会談概要
- (1)玄葉大臣から,日本がパナマのインフラ整備・鉱物資源開発を関心を持って見ている旨述べるとともに,東日本大震災の犠牲者を追悼する日本庭園がパナマ外務省のイニシアティブで建設中であることに謝意を表しました。これに対し,ルークス大臣から,パナマは運河及び船籍の主要利用国である日本との関係を重視している旨述べました。
- (2)パナマの都市公共交通計画「メトロ3号線建設計画」に関し,ルークス大臣が日本企業の参入に期待を示し,玄葉大臣からは,我が国の高度なモノレール技術を活用してほしい旨述べました。
- (3)玄葉大臣から,対パナマ円借款「パナマ市及びパナマ湾浄化計画」がパナマの衛生環境改善に資することに期待感を示したのに対し,ルークス大臣は,我が国政府による支援に謝意を表明しました。
- (4)両外相は,安保理改革,太平洋同盟,日・中米関係等につき意見交換を行い,玄葉大臣から日中関係に関する我が方の立場を説明しました。