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平成18年5月26日~27日
於:東京 日本
日本・アラブ対話フォーラムは、2003年5月に小泉純一郎総理大臣のエジプト及びサウジアラビア訪問の際に、日本とアラブ世界との対話強化の重要性が日本の対中東政策の柱の一つとして強調されたことを受けて設立された。同フォーラムは、日本とアラブ世界の相互利益のため、相互理解を促進するためのアイデアを探求し、協力関係を強化することを目的として、日本、エジプト及びサウジアラビアの有識者の間で非公式かつ自由な意見交換を促進する事を目的としている。
2003年9月に第一回会合が東京で、2004年3月に第二回会合がアレキサンドリアで、2005年1月に第三回会合がリヤドで、そして2006年5月に第四回会合が再び東京で開催された。日本・アラブ対話フォーラムは、参加者が積極的な関与と自由な意見交換を通じて対話を深めることにより順調に進展し、日本とアラブの相互理解に従来にはなかった幅と深みを加えることができた。
参加者は、中東各地で情況が大きく変化し、情勢は全体として一層不安定化しつつあるとの認識の下、主にイラク、パレスチナ及びイラン情勢に関する最近の中東情勢の分析に主眼をおいた。
参加者は、政治プロセスは進展しているものの、復興は依然として道半ばとの問題意識を共有し、今後も、密接な意見交換を通じて情勢の的確な把握に努めつつ、日本とアラブ諸国が協力し、イラク人自身による国造りが成し遂げられるよう支援していく必要があるとの認識を得た。
参加者は、パレスチナ人による国造りの努力を支援していくことの重要性を確認するとともに、イスラエル、パレスチナ両当事者間の対話の糸口を見出す努力の必要性を強調した。また、その過程におけるハマスの立場の穏健化の必要性についての共通認識も得た。さらに、パレスチナ人への支援継続の必要性についても一致した。この関連で、参加者は現段階における一方的行動は公正かつ永続的な平和の追求にとって逆効果であるとの懸念を表明した。
日本・アラブ対話フォーラムでは、中東地域の平和と安定の実現のためには、中東地域の経済社会開発を実現することが不可欠であるとの認識に立ち、日本からアラブ諸国に対する投資促進のため、投資環境に関する問題が各国別に検討されなければならないことが提案された。それを受け、2005年4月に東京で開催された「日-エジプト経済委員会」合同会議及び2005年3月に東京、2006年3月にリヤドで開催された「日-サウジ・ビジネス・カウンシル」において投資環境の改善等についての議論が行われた。
また、両者間のパートナーシップを強化していくためにも日本とアラブ間の自由貿易協定の可能性を追求すべきとの提案が行われ、2004年10月に合同専門家会合が開催された。そして、2006年4月、日本とGCCとの間でFTA交渉の開始が表明された。
この他、日本・アラブ対話フォーラムでは、中東地域の社会開発に資する以下の具体的な案件が提案され、具体的な進展が見られる。
日本・アラブ対話フォーラムでは、文化面における相互理解を強化し、特に最近の預言者ムハンマド風刺漫画問題を受け、ステレオタイプ的見方を克服し、各国の文化に対する尊重の念を強化することの重要性についてのコンセンサスが得られた。また、日本とアラブとの間で研究、文化等の様々な交流を強化することが極めて重要であることが認識された。日本は、2003年9月以降3回にわたり「中東文化交流対話ミッション」を派遣する等、文化対話を増進するための継続的な活動を行った。
また、参加者はアラブ諸国における日本研究や日本におけるアラブ研究の現状についての評価を行い、地域研究を通じた日・アラブ間の相互理解の現状は未だ不十分であるとの認識で一致した。今後、単なる語学学習にとどまることなく、相手に対する理解を一層深めるための地域研究の促進が図られるべきであることで一致した。
アラブにおける日本に関する、またその逆の書籍の執筆、翻訳及び普及のための既存の努力を強化し、進展している文化と科学の融合を促進するためにデジタル・ポータルを活用することを進めるとの提案があり、参加者はこの提案を歓迎した。
第4回対話フォーラムでは、イラクおよびパレスチナからのオブザーバー参加を得て、直接現地情勢の報告を聞き、情勢分析および今後の方策に関する極めて有益な意見交換を行った。
参加者は、今後もこの対話の枠組みを継続することが望ましいとの考えで一致し、それぞれの政府にその旨を提言することとした。今後の具体的なとり進め方については、本会合後、然るべき時期に以下の方向で検討を行う。
この関連で、エジプトから本対話フォーラムの枠組みに加えて、次回会合の前後に、日本及び多くのアラブ諸国からより幅広い層の知識人・有識者を招待し、日本・アラブ間交流の裾野の広がりを対外的に示し、日・アラブ関係の推進及び強化にコミットする知識人やメディアの臨界量を得るため、会合を開催する提案があり、参加者はその提案を留意した。そして、アラブからの参加者が拡大することを含むこのような提案がなされたことを歓迎し、この提案に関しては更なる検討を行うことで一致した。
橋本龍太郎 元内閣総理大臣(座長)
宮原賢次 日本経団連副会長(住友商事会長)
岡本行夫 内閣総理大臣外交顧問(岡本アソシエイツ代表)
須藤隆也 財団法人日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター所長(元駐エジプト大使)
山内昌之 東京大学教授
イスマイール・セラゲッディーン・アレキサンドリア図書館長(座長)
オサマ・エル・バーズ大統領顧問
ハーテム・エル・カランシャーウィー元経済問題担当首相上級顧問
アブドゥルモネイム・サウーディ・日本・エジプト合同委員会エジプト側議長
ファルーク・イスマイール・アハラーム・カナディアン大学学長(シューラ評議会議員)
ワヒーブ・エル・ミニアーウィ元駐日大使(1988~1993年駐在)
アブドゥル・アジーズ・ビン・ムハンマド・アル・トワイジェリ諮問評議会議員(座長)
ナーイフ・ビン・ムネイフ・アル・ムテイリ諮問評議会議員
ジャービル・ハビーブ・ジャービル国民議会議員
ハリール・シュカーキー・パレスチナ政策分析センター所長