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平成19年度 招へいプログラム「21世紀日伯指導者交流計画」
概要と評価

平成20年3月

  • 3月4日(火曜日)から11日(火曜日)までの8日間、2008年の「日本ブラジル交流年」(日本人ブラジル移住100周年)を記念し、招へいプログラム「21世紀日伯指導者交流計画」を実施。
  • 所謂「ポップカルチャー」の分野や、日本語・日本文化の普及に活躍しており、日本・ブラジル両国間の「新たな架け橋」として活躍することが期待されるブラジル人青年24名を訪日招へいした。
  • 本招へいプログラムの実施は、参加者が「クールジャパン」として世界的に流行している現代日本文化(「ポップカルチャー」)を通じて、その背景にある日本の社会や歴史、伝統文化など、我が国に対する理解を深め、日本・ブラジル両国間に未来志向の幅広い人脈を構築することに寄与した。
  • 日本・ブラジル両国間の青年交流は、2006年7月の日伯21世紀協議会による提言においても言及されており、「日本ブラジル交流年」の成功及び両国関係の一層の緊密化に大きく資するものである。

1.概要

(1)講義・座談会

(イ)浜野保樹東京大学大学院教授による講義「日本ではポップカルチャーを芸術と呼ぶ」では、日本文化・芸術の大衆性やその精神性につき理解を深め、日本の現代文化に関し多角的な視点から活発な質疑応答が行われた。

(ロ)DJ Taro氏との座談会「ぼくらのJ-POP」では、日本のポップカルチャーの魅力やブラジルとの接点につき自由に意見交換し、今後の両国間交流発展の可能性を模索した。

(ハ)細川周平国際日本文化研究センター副所長による講義「手塚治マンガと戦後日本文化」では、手塚治アニメを通じ、日本社会の変遷につき理解を深めた。

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(2)視察訪問

(イ)プロダクションI.Gへの訪問では、アニメーションの歴史や制作技術の変遷、制作工程などに関する視察および講義が行われ、アニメーションをめぐる環境の現状やアニメーション作品による表現、メッセージ等につき活発な質疑・応答が行われた。

(ロ)群馬県大泉町への訪問では、長谷川洋町長始め町役場関係者より同町の概要と外国人居住者に対する取組みに関する紹介を受けた。参加者たちは同町が外国人を含め教育重視の取組みを実施していることや外国人受入れのための各種取組み努力につき理解を深めた。また、在日ブラジル人を多く受け入れている公立学校での日本語学級の取組みや一般学級における外国人児童の学習状況につき視察した。更に、在日ブラジル人学校生徒との交流を行い、日本での生活や学習状況などを聴取し、参加者側からは、ブラジルにおいて様々な分野で活躍する自らの体験を元に、教育の大切さや、日本語・日本文化を身に付けつつ日本滞在の経験を十分に活用し両国間で活躍して欲しいなど、それぞれがエールを送るなどして交流を深めた。

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(ハ)その他、パナソニックセンター、築地市場、京都国際漫画ミュージアムを訪問した他、地方視察先の広島では、平和記念資料館を訪問、被爆者による講話も聴取し、平和の大切さにつき理解を深めた。また、京都では寺院仏閣を訪問するなど、日本の歴史・文化につき見識を深めた。

(3)文化体験

(イ)日本料理体験では、武蔵野調理師専門学校にて、参加者全員が刺身、焼き物、揚げ物を実際に調理、盛り付け、試食することを通じ、世界的に注目を集める日本料理の素材や彩り、季節との関連などにつき理解を深めた。

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(ロ)和太鼓体験では、なぎさ太鼓によるデモンストレーションに続き、全員で実際に太鼓体験をし、太鼓グループ及び地元自治会との交流を深めた。

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(ハ)座禅体験では、日本文化の根底を形作る仏教の教えを学びつつ、日本庭園鑑賞も行った。

2.評価

(1)本招へいプログラムの実施は、「クールジャパン」として世界的に流行している現代日本文化(「ポップカルチャー」)に対する理解を通じて、その背景にある日本の社会や歴史、伝統文化など、我が国に対する理解を深めさせ、更なる対日関心が喚起し、日本・ブラジル両国間に未来志向の幅広い「新たな架け橋」を構築することに寄与した。

(2)また、日本・ブラジル両国関係を考える上で重要な位置を占める在日ブラジル人問題についても認識させ、我が国の地方自治体の取組み努力につき理解させることで、複合的側面から両国間関係を考えさせ、両国双方のバランスの取れた視点を持った人材を育成することに寄与した。

(3)参加者からは、今次プログラムにより得られた知見や人脈を各人の活動に活用し、今後も日本とブラジルの両国関係強化に貢献していきたいとの意向が示された。今次招へいの結果として、被招へい者が今後の対日関係の進展において主導的な役割を果たしていくことが期待される。

(4)特に、本招へいプログラムへの参加を通じ、被招へい者間の関係が深まり、参加者からは、今次参加者同士のネットワークを形成し、今後、日本に関する具体的プロジェクトを発展させていくことにつき意欲が示されるなど、ブラジルにおける「新たな架け橋」の横の連携の強化にも寄与した。

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