中東

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共同声明
第1回日本・クウェート政府間合同委員会
(2010年6月2日)
(仮訳)

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  1. 日本国とクウェート国との相互関係の促進のため,2008年のシェイク・ナーセル・アル・ムハンマド・アル・アハマド・アル・サバーハ・クウェート首相の訪日の機会に,双方は,日本国とクウェート国の政府間合同委員会設置に関する覚書に署名した。2010年6月2日,第1回日本・クウェート政府間合同委員会が開催され,日本側は岡田克也外務大臣及び高橋千秋経済産業大臣政務官が,クウェート側はシェイク・ムハンマド・サバーハ・アル・サーレム・アル・サバーハ副首相兼外務大臣が代表を務めた。
  2. 本合同委員会は,岡田大臣の招聘により,ムハンマド大臣が,2010年6月2日から3日まで日本を公式訪問した機会に行われた。双方は,これまでの日本とクウェートの友好的な関係の発展に大いなる満足の意を表明し,こうした良好な二国間関係を更に進展させるとの決意を確認した。双方はまた,今般のムハンマド大臣の日本訪問が,両国間関係の強化のみならず,日本と湾岸協力理事会(GCC)関係の発展のためにも重要な機会であることに留意した。
  3. 双方は,2011年に外交関係樹立50周年を迎えるにあたり,様々な記念行事を通じて,両国間の相互理解と二国間交流をさらに活発化させることの重要性を認識した。
  4. 双方は,鳩山政権発足後初のハイレベル訪問となる2010年2月の増子輝彦経済産業副大臣のクウェート訪問に続き,5月の中山義活内閣総理大臣補佐官のクウェート訪問が行われるなど,要人往来が進んでいることを歓迎した。
  5. 日本側は,湾岸と中東全体の安定と繁栄のため,クウェートがGCC議長国として力強いリーダーシップを発揮していることを評価した。
  6. 双方は,地域・国際場裡の様々な問題についての議論の中で,それぞれの見解を表明した。
  7. 双方は,2009年12月に日本外務省及び経済産業省,並びに,アラブ連盟による共催で東京にて開催された第1回日アラブ経済フォーラムの成果を歓迎した。両国は,日アラブ経済フォーラムは投資のための資金供給,水,太陽光発電システム,産業,貿易,環境,観光を含む分野におけるアラブ諸国と日本の間の協力を促進する上で大きく寄与することを認めた。双方はまた,チュニジアで行われる第2回日アラブ経済フォーラムのための準備に関する協力につき議論した。
  8. 双方は,租税条約の署名を歓迎し,早期発効に向け協力することを確認した。
  9. 双方は,投資協定交渉の開始を歓迎し,2010年7月に第2回交渉をクウェートで開催すること及び同協定を可能な限り早期に締結すべく引き続き努力することを確認した。
  10. 日本側は,日本とGCCとの自由貿易協定(日GCC・FTA)交渉が,クウェートのGCC議長の下で迅速に妥結することを期待した。
  11. 双方は,これまでの日本・クウェート民間合同委員会の取組を評価し,引き続き同委員会の活動を通じて両国のビジネス関係が活性化するよう期待を表明した。
  12. 双方は,相互の貿易量を拡大させること,商業使節の訪問や国際展示会への参加を奨励することを議論した。
  13. 双方は,両国ビジネスの更なる活性化と,投資の促進のため,(財)中東協力センタージャパンデスクの効果的活用に留意し,クウェートにおけるオフセットプログラムやBOTスキームを適切に実施する意図を表明した。
  14. クウェート側は,クウェートの5カ年計画に基づく発電所,電力網整備,製油所,鉄道,港湾等のプロジェクトへの日本側の積極的な進出・投資を歓迎した。日本側は,クウェートの対日投資を期待する旨表明した。
  15. 日本側は,2011年のアジアエネルギー産消国閣僚会合及び2012年の国際エネルギー・フォーラムの招致・開催等を通じた,クウェートによる積極的なエネルギー安定供給のためのイニシアティブを評価し,クウェートによる日本への石油の安定した供給を保証するとのコミットメントを歓迎した。
  16. 双方は,上流及び下流の石油部門における両国間の技術協力を強化するための取組を歓迎し,特に,CO2原油高次回収に関する共同研究プロジェクトの開始に向けた議論の進展を評価した。
  17. クウェート側は,原子力発電の導入の検討を開始する意図を表明した。双方は,両国間で原子力分野での協力の可能性につき議論を継続することを確認した。
  18. 双方は,再生可能エネルギー及び省エネルギーの重要性を認識し,同分野での協力を通じて,両国のビジネスが促進されることへの期待を表明した。
  19. 双方は,クウェート電力水省と豊田通商株式会社との間の太陽熱複合発電プロジェクトに関する大幅な進展を歓迎し,同プロジェクトの迅速なる実施に向けて継続的に支援を行う意思を表明した。
  20. 双方は,日本で開発された環境教育プログラムである「Kids' ISO 14000」の促進及び支援を表明した。この関連で,日本側は,クウェート環境教育研究センター(KCEER)設立に対する期待を表明した。
  21. 双方は,クウェートにおける水需要確保の重要性を認識し,両国間の水分野のビジネスの促進を図る重要性を確認した。
  22. 双方は,日本における医療ツーリズムの促進への期待を表明した。
  23. 双方は,両国間の観光,高等教育及び文化の分野での協力促進への期待を表明した。
  24. クウェート側は,さまざまな協力分野の文書草案を提示し,日本側はこれらの文書草案に留意した。
  25. クウェート側は,両国間の第2回合同委員会を,両国間の外交関係樹立50周年にあたる2011年にクウェートで開催されるよう,日本側を招請した。

2010年6月2日 東京にて


日本国のために

外務大臣
岡田克也
(署名)

クウェート国のために

副首相兼外務大臣
ムハンマド・サバ-ハ・アル・サ-レム・アル・サバ-ハ
(署名)

経済産業大臣政務官
高橋千秋
(署名)

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