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第4回東アジア首脳会議(EAS)の概要

平成21年10月26日

 10月25日、鳩山総理はタイ(チャアム・ホアヒン)で開催されたEAS首脳会議に出席したところ、概要以下のとおり。

1.国際経済・金融危機対応

 鳩山総理から、アジア経済は内需中心に変えていく必要があること、アジアの金融安定化(チェンマイ・イニシアティブの多角化)に協力すること、ASEAN経済の統合を支援すること、東アジア包括的経済連携(CEPEA)構想を政府間で検討すること等を述べた。
 各国から、内需中心の経済成長やASEAN内の連結性(コネクティビティ:交通インフラなどの整備、物流円滑化の制度整備など)向上、G20に東アジアやASEANの意見を更に反映させるべきとの発言があった。CEPEAに関する政府間検討の開始の支持などについても発言があり、ASEAN+3の東アジア自由貿易圏(EAFTA)構想と同時並行で政府間の議論に移行することで意見の一致をみた。

2.環境・気候変動

 鳩山総理から、COP15の成功に向けて強力なメッセージを発表するよう求め、また、ASEANを含む各国が国内努力を国際的な約束として表明するよう期待することを伝えた。
 各国から、COP15に向けてメッセージを出すことに賛同する発言があり、また各国の自主的な取組が説明される一方、途上国へ更に資金・技術供与を行うよう求める発言もあった。

3.地域協力

 鳩山総理から、日米同盟が外交の基軸であること、同時に「東アジア共同体」という長期的なビジョンを掲げ開かれた地域協力の原則に立って東アジアでの協力を着実に進めること、具体的な協力をできるところから進めていくことが重要であり、協力枠組にどの国が入りどの国が入らないという議論は今のところ意味がないと考えていること、ASEANも重要な役割を果たすこと、さまざまな枠組みを相互補完的に組み合わせて協力を進めて、その先に東アジア共同体を構想したいと考えていること等を説明した。
 豪州のラッド首相から、「アジア太平洋共同体」の説明があり、ASEANの発展を参考にしたい、幅広い分野に取り組むアジアの文化的背景や特長を踏まえ、貿易・投資、金融、エネルギー等の分野で協力を進めたい、年内に1.5トラックの会合を開催する等の説明があった。他の首脳より、鳩山総理やラッド首相の発言を受けて、EASにおいて開放性等の原則に基づく協力を進めていくこと、長期的に東アジア共同体を目指していくこと、既存の枠組みを相互補完的に活用すること等に関する発言があり、地域協力を深めつつ、引き続き地域協力のあり方について議論を続けることで概ね意見の一致をみた。

4.地域情勢

(1)朝鮮半島情勢

 北朝鮮に関し、鳩山総理から、核、ミサイル、拉致という諸懸案の包括的解決が必要であるが、北朝鮮から具体的行動が見られておらず、安保理決議を履行しながら、六者会合への速やかな復帰と、前向きかつ具体的な行動を求めていくことが重要であると述べた。中国からは先般の温家宝総理の訪朝、韓国からは南北関係やグランド・バーゲン等につき言及があった。各国からは、北朝鮮をめぐる問題は東アジアの平和と安定にとって重要であり、六者会合の早期再開に向けて連携していきたいとの意見が表明された。

(2)ミャンマー情勢

 鳩山総理から、民主化に向けた動きを評価するとともに、2010年の総選挙がすべての関係者が参加し民主的に実施されることを期待している旨表明。

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