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平成20年4月8日
4月7日(月曜日)及び8日(火曜日)、東京(於:三田会議所)において第10回アフリカ・パートナーシップ・フォーラム(APF)が開催されたところ、その概要以下のとおり。
(注)APFとは、03年のエビアン・サミット議長総括に基づいて発足したアフリカ開発に関する国際的フォーラム。G8議長国が主催して03年11月に第1回会合が開催され、以降年2回開催。
(1) マックスウェル・マクウェザランバAU経済委員、ネワイ・ゲブレアブ・エチオピア経済担当首相顧問、ハイデマリー・ヴィチョレク・ツォイル・独開発経済協力大臣、アンジェル・グリアOECD事務総長、ムクロ・ムスタファ・タンザニア財務大臣、ポール・ビヨッゲ・ンバ・ガボン商業産業開発及びNEPAD担当大臣、ビクトール・メンゴ・カメルーンNEPAD担当大臣等が参加。
(2) 我が方よりは、高村外務大臣が冒頭基調演説を行い、小野寺副大臣が歓迎夕食会及び第3セッションの議長を務め、中山政務官が主要参加者を招いて昼食会を行った他、木寺アフリカ審議官が全セッションに出席。
日付 | 日程 |
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4月7日(月曜日) | 冒頭セッション:高村大臣による基調演説及び共同議長他発言 第一セッション:環境と気候変動 中山政務官主催昼食会 市民社会セッション 第二セッション:AU/NEPADアフリカ行動計画 小野寺副大臣主催歓迎夕食会(福田総理よりのメッセージ読み上げ) |
4月8日(火曜日) | 第三セッション:経済成長の加速化と貧困の削減 最終セッション:ラップアップ・議長サマリー 共同議長によるプレスカンファレンス |
(1) 「冒頭セッション」では、高村大臣が、TICAD IV及びG8を通じた元気なアフリカの実現をテーマとし、アフリカの重要性、TICAD IVと北海道洞爺湖サミットのアピール、今次APFに向けた我が国の立場等を参加者に訴えかけた。
(2) 「第一セッション:環境と気候変動」では、アフリカが気候変動の原因にほとんど寄与していないにも関わらず、その悪影響を大きく受けていること、その観点から気候変動に対する適応が重要であること、また、気候変動への対応は緊急の課題であること等について認識が共有された。また、森林の炭素吸収源としての重要性や炭素市場へのアクセス改善の必要性などが多くの参加者から指摘された。
(3)「第二セッション:AU/NEPADアフリカ行動計画」では、同計画がアフリカのイニシアティブとして関係者間の綿密な協議と分析を経て作成されたこと等、提示されたAU/NEPADアフリカ行動計画の背景についてアフリカ側から説明があった。議論では、同計画に含まれるプロジェクトの一部は既に実施されているものもあること、民間資金の活用が重要である等の発言がなされた。結果、今後アフリカ開発銀行を中心に計画実現に向けた障害を明らかにし、次回APFに報告させることとなった。
(4) 「第三セッション:経済成長の加速化と貧困削減」では、我が国から小野寺外務副大臣が議長役を務めた。本セッションでは、アフリカの経済成長を評価する発言が相次ぐ一方、経済成長が未だに脆弱であること、経済成長が貧困削減に結びついていないこと等について懸念が表明された。この文脈でインフラ、農業の重要性、ジェンダーの視点を採り入れる重要性が指摘された。また、人材育成、科学技術が持続的成長に結びつく可能性や、ガバナンスの改善がビジネス環境整備や投資増大に役立つこと等が指摘された。
(5) また、日本及びアフリカからのNGOを招いてのセッションも設けられ、アフリカ開発に関するAPF参加者と市民社会の対話が行われた。
(1) 多くの関係者が一堂に会し、政治レベルも交えてアフリカ開発に関わる幅広い問題について、積極的な議論が行われたこと、特に環境・気候変動問題や経済成長の加速化・貧困削減について、認識が共有されたことは有意義であった。
(2) 我が方からは、福田総理からAPF参加者に宛てたメッセージが読み上げられた他、高村大臣が冒頭セッションで基調演説を行った。また、第9回APFにも参加した小野寺副大臣が歓迎夕食会を主催、第三セッションの議長を務めた他、中山政務官も主要な出席者を対象とした昼食会を主催し、更に各代表とは福田総理主催の「アフリカの夕べ」にも招待し、我が国のアフリカにかける意気込みを出席者に大きくアピールすることができた。我が方からは、本APFを含む一連の会合から、TICAD IV及びG8北海道洞爺湖サミットまでの一連のロードマップを説明することができ、また参加者の中からもTICAD IVやG8サミットに対する言及もあり、これらの会合に対する期待も表明された。
(3) APFではこれまで、「AU/NEPADアフリカ行動計画」をめぐり、アフリカ側とドナー側との間には対立的雰囲気もあったが、今次会合では各セッションで質の高い議論が行われた。議長サマリーのとりまとめに当たり、第二セッションの議論で一時対立が再現された場面もあったが、共同議長他関係者で集まり、一定の方向性を共有することが出来、良好な雰囲気の中で閉会した。