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アジア協力対話(ACD)第7回環境教育推進対話
「生物多様性に関する教育~生物多様性条約「愛知目標」の達成に向けて~」
(概要と評価)

平成22年12月21日

(写真)埼玉県所沢市の生物多様性関連施設の視察 (写真)埼玉県所沢市の生物多様性関連施設の視察


1.概要

開催形式及び出席者

  1. (1)共催:外務省、埼玉県、所沢市、国連大学高等研究所(UNU-IAS)
  2. (2)後援:環境省、早稲田大学、財団法人トトロのふるさと財団
  3. (3)出席者:約50名

    (アジア協力対話参加国の内18カ国の生物多様性・環境教育担当者(我が国は外務省、環境省)、埼玉県、所沢市、財団法人トトロのふるさと財団、UNU-IAS、早稲田大学、有識者、民間企業、NGO等)

日程

12月16日(木曜日)
  1. 視察:

    埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター、トトロの森、所沢市埋蔵文化財センター、早稲田大学所沢キャンパス

  2. 外務省主催歓迎レセプション(於:掬水亭):

    当麻よし子所沢市長、荒木喜代志生物多様性条約COP10担当大使による挨拶

12月17日(金曜日)
  1. ワークショップ(於:三田共用会議所)
  2. 開会セッション: 荒木喜代志生物多様性条約COP10担当大使による挨拶
  3. 午前の部
    • 第6回環境教育推進対話のフォローアップ
    • 『生物多様性に向けた各国のこれまでの取組』についての議論
  4. 午後の部
    • 『愛知目標(戦略計画2011-2020)達成に向けて:アジア各国の課題』についての議論

第7回環境教育推進対話の概要

  1. (1) 1日目は、所沢市内の生物多様性に関係の深い施設(埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター、トトロの森、早稲田大学所沢キャンパスなど)を訪問し、所沢市内における特色のある生物多様性の保全に向けた各種取組について視察した。また、外務省主催により歓迎レセプションを開催し、当麻所沢市長にご出席いただいた。
  2. (2) 2日目は、ワークショップを開催した。荒木喜代志生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)担当大使の挨拶の後、関係機関やACD参加国における生物多様性保全のための国又は地域レベルでの具体的取組及び同問題に関する教育の現状が報告なされるとともに、本年度10月に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約COP10で採択された2011年以降の生物多様性に関する世界目標である「愛知目標(戦略計画2011-2020)」の達成に向けたアジアの課題について活発な議論を行った。

2.評価

  1. (1) 一日目は、埼玉県所沢市の生物多様性関連施設の視察を行った。この視察では、急速な経済成長の中で多くのアジア諸国が直面している都市化と生物多様性への影響という問題について焦点を当てた。所沢市は、東京に隣接する人口約35万人を抱える都市であり、開発に対する需要は非常に大きい。しかし、単に開発のみを優先するのではなく、より長期的な視点から、埼玉県庁、所沢市役所といった行政機関や財団法人トトロのふるさと財団、早稲田大学といった団体が協力して、地域住民とともに都市における自然や生物多様性の積極的な保全に努めてきた。そのため、所沢市内には、「トトロの森」をはじめとする豊かな自然が残されている。こうした所沢市における独自性溢れる取組についての紹介は、「都市と開発」のバランスというアジア諸国に共通する課題に対するひとつの重要な示唆の提示という意味で非常に意義深いものであった。
  2. (2) 二日目のワークショップでは、本年10月、愛知県名古屋市にて生物多様性条約COP10が開催され、世界的に生物多様性の保全に対する関心が高まっていることを踏まえ、COP10で採択された「愛知目標(戦略計画2011-2020)」に焦点を当て、各国の生物多様性に係るこれまでの取組の紹介とともに、愛知目標の達成に向けたアジアの課題について意見交換を行った。愛知目標は、2002年のCOP6において設定された世界共通の目標である「2010年目標」が達成できなかったことを受け、COP10で新たに設定された目標であり、生物多様性の損失が続く中、当目標の達成は生物多様性の保全にとって非常に大きな意義を有する。本対話では、この愛知目標の達成に向け、アジアとしての課題は何か、またその課題にアジア各国はどのように向き合っていくべきかについて活発な意見交換を行った。こうしたアジア各国の環境行政担当者の率直な意見交換によって、アジアとしての課題が明確になり、当目標の達成に向けたアジア各国の問題意識の共有という観点から、非常に有意義な議論であった。
  3. (3) 今次会合の冒頭では、前回第6回の環境教育対話のフォローアップを行い、この環境教育対話が、具体的テーマは必ずしも同一ではないものの「環境教育」を一つの主軸として過去6回に亘り実施されてきたことを改めて参加者に認識していただいた。
  4. (4) 今次会合の成果は、次期ACD外相会合において、我が国が実施したACDプライム・ムーバープロジェクトとして報告される予定。
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