
国際的な人の移動と開発に関する国連ハイレベル対話
(概要)
平成18年9月
9月14日及び15日の両日、国連本部で「国際的な人の移動と開発に関する国連ハイレベル対話」(High-level Dialogue on International Migration and Development)が開催され、我が方より遠山外務大臣政務官及び鶴岡地球規模課題審議官他が出席した。概要は次の通り。
概要
(1) 一般演説
- 会議冒頭、アナン事務総長が基調演説を行い、グローバル化により国際的な人の移動が活発化し、今やほぼ2億人の人々が出生国以外の国々で生活するようになったこと、先進国への移民・出稼ぎ者による開発途上国への送金額はODAの総額を越えるに至っていることなどを紹介した。また、今後幅広い国際対話を進めていく必要があるとして、来年「人の移動と開発に係るグローバル・フォーラム」がベルギー政府主催により開催予定であることを歓迎する旨述べた。
- 二日間行われた一般演説では、各国・関係機関代表140名が発言。我が方からは、遠山政務官がスピーチ(仮訳・英文)を行い、移住者が直面する脅威と課題に対処するためには、個々人の保護と能力強化を柱とする「人間の安全保障」を推進する必要がある旨を訴えるとともに、国際的な人の移動と開発のポジティブ・リンケージの確立に向けた協力に言及した。
(2) ラウンド・テーブル
- 一般演説と並行して、「国際的な人の移動と経済社会開発」、「移民の人権尊重・保護の確保、不法移民対策、人身取引対処措置」、「送金を含む国際的な人の移動と開発の多面的側面」及び「二国間・地域レベルでのパートナーシップ構築:キャパシティ・ビルディング及びベスト・プラクティス共有の促進」の4つをテーマにラウンド・テーブル方式による議論が行われた。
- 我が方からは、鶴岡地球規模課題審議官が「パートナーシップ構築」のテーブルに参加・発言し、移民の送出国、通過国、受入国それぞれとしての我が国の経験をもとに、「人間の安全保障」の視点が重要であり、人間の安全保障を今後の議論の重要な柱の一つにすべきであると主張した。
(なお、国際移住機関(IOM)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連人口基金(UNFPA)、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)等関連国際機関が「移民と人権」「貿易問題と人の移動」「女性問題と移民」「移民問題に係る地域協力プロセス」などをテーマに多数のサイド・イベントを展開した。)
(3)バイ会談
- 本件対話出席の機会に、遠山政務官は以下を含むバイ会談・懇談等を行った(時系列)。
- デルビシュ国連開発計画(UNDP)総裁及びその他UNDP幹部レベルとの会談
デルビシュUNDP総裁
アルソスワUNDPアラブ局長
パシャUNDPアジア大洋州局長
- 東チモール代表部ボージェス臨時代理大使との懇談
- マロック=ブラウン国連副事務総長との会談
- 中堅・若手邦人国連職員との懇談
- ラフィ地球規模活動のための議員(PGA)事務局長との会談
- ゲーノ国連平和維持活動局長との会談
- ツイ国連人道問題調整事務所(OCHA)前部長との会談
- サザーランド国連事務総長特別代表(国際的な人の移動と開発担当)との会談
- マッキンリー国際移住機関(IOM)事務局長との会談
- カーン・バングラデシュ海外居住者福利厚生・海外雇用担当大臣との会談