外務本省

福島啓史郎外務大臣政務官の南部アフリカ諸国訪問(概要と評価)
-レソト、ナミビア、モザンビーク、南アフリカ-

平成17年5月19日

 福島啓史郎外務大臣政務官は、4月30日~5月10日の日程で南部アフリカ諸国(レソト、ナミビア、モザンビーク、南アフリカ)を訪問したところ、概要と評価以下の通り。

1. 訪問の目的

2. 訪問の成果・評価

(1)福島政務官は、各国要人との会談において3点(経済協力をはじめとする二国間関係強化、TICADプロセス、安保理改革)を中心に、日本の取り組み・立場等を明確に説明。

(2)アジア・アフリカ首脳会議の直後という時宜を得たタイミングで各国を訪問。小泉総理が表明したTICAD IV開催、対アフリカODA倍増等に対して高い評価と期待が表明された。

(3)安保理改革については、十分時間をかけて我が国の基本的立場を説明し、理解と支持を得ると共に、各国の立場及びアフリカにおける議論の動向に関し情報収集を行うことができた。

(4)要人との会談と併せて、経済協力の視察、邦人企業関係者との意見交換等を精力的に行ったが、これを通じて得られた情報等を会談においても説得力を持って訴えることができた。

3. 国別の訪問概要

(1)レソト

(イ)日本政府要人初のレソト訪問。レツィエ三世国王及びモレレキ外相(アジア・アフリカ首脳会議出席)と会談。今回の訪問を機に、更に幅広い分野での二国間関係の強化を確認。

(ロ)先方より、レソトの重点分野である教育分野への各種支援(小学校建設、レソト教育大学研究施設等)に対する謝意、TICAD IV開催及び対アフリカODA倍増に対する高い評価が表明された。

(ハ)安保理改革について、我が国の立場に対する理解と支持を更に深めることができた。先方より、アフリカの立場に対する日本の支持に対する謝意が表明されると共に、安保理改革実現に向け引き続き協議を行っていくことを確認。

(ニ)福島政務官は、日本の支援により建設中の小学校、レソト教育大学を視察。

(写真)(福島政務官(左)とレツィエ三世・レソト国王(右))
(福島政務官(左)とレツィエ三世・レソト国王(右))
(写真)(ヌガチゼコ・ナミビア通産大臣(左)と福島政務官(右))
(ヌガチゼコ・ナミビア通産大臣(左)と福島政務官(右))

(2)ナミビア

(イ)約6年ぶりとなる日本政府要人のナミビア訪問。ヌガチゼコ通産大臣(TICAD III出席)、ルーカス外務副大臣及びトウェヤ財務副大臣と会談。

(ロ)今回の訪問を機に、更に幅広い分野で二国間関係を強化していくことを確認。

(ハ)先方より、TICADプロセスへの評価、経済協力への謝意表明、新規案件(北部間道路案件、産業関連統計整備、eコマース)に対する支援要請があった。

(ニ)日本企業の対ナミビア投資増大への期待表明があった。

(ホ)安保理改革について、我が国の立場に対する理解と支持を更に深めることができた。先方より、枠組みに合意した上で具体的な候補国を検討するという点で、アフリカの考え方は日本と一致している旨の発言があった。

(ヘ)福島政務官は、草の根で校舎を増設した中学校を視察。

(3)モザンビーク

(イ)ゲブーザ大統領就任(本年2月)後初めての日本政府要人の訪問。同大統領、ディオゴ首相(アジア・アフリカ首脳会議出席)及びバンゼ外務協力副大臣と会談。

(ロ)ゲブーザ政権との間で幅広い分野での関係強化の方針を確認。

(ハ)先方より、幅広い経済協力(灌漑、地雷除去、港浚渫、技協協定、債務救済等)に謝意が表明されると共に、さらに農村開発(特にインフラ)、職業訓練・技術訓練への支援に期待表明があった。また、TICADの成果及び対アフリカODA倍増に対する歓迎が表明された。

(ニ)貿易・投資について、モザール・アルミ精錬プロジェクト、エフリペル(マルハのエビ漁合弁会社)等日本企業の活発な活動を歓迎しつつ、更なる投資促進に対する期待表明があった。

(ホ)安保理改革について、先方より、モデルAへの明確な支持、日本がアフリカの立場を理解・支持していることに対する評価が表明された。ゲブーザ大統領よりは、我が国の常任理事国入りに対して明確な支持表明があった。

(ヘ)福島政務官は、日本の支援で改修した小学校、モザール・アルミ精錬工場を視察。

(写真)(福島政務官(左)とゲブーザ・モザンビーク大統領(右))
(福島政務官(左)とゲブーザ・モザンビーク大統領(右))
(写真)(ヘンドリクス・南アフリカ通産副大臣(左)と福島政務官(右))
(ヘンドリクス・南アフリカ通産副大臣(左)と福島政務官(右))

(4)南アフリカ

(イ)パハッド副大臣との会談において、アジア・アフリカ首脳会議の際に行われた日・南ア首脳会談を踏まえつつ、本年南アで開催予定の日・南ア・パートナーシップ・フォーラムに向け、アフリカの紛争問題をはじめ更に具体的な協力を進めていくことを確認。

(ロ)ヘンドリクス通産副大臣との会談において、両国間の貿易投資促進の観点から、TICADプロセスにおける各種取り組みを紹介する共に、FTAの可能性、共同貿易委員会の開催(昨年の日・南ア・パートナーシップ・フォーラムで合意)等について幅広い意見交換を行った。

(ハ)安保理改革について、パハド外務副大臣との間で、アフリカにおける安保理改革を巡る動向について極めて率直な意見交換・情報交換を行った。併せて、我が国の基本的な考え方と立場に対する理解と支持を更に深めることができた。先方より、アフリカ共通の立場を堅持していきたいとの意向が表明された。

(ニ)福島政務官は、草の根支援を行った職業訓練施設を視察。邦人企業関係者と懇談してアフリカにおける日本企業の進出戦略等につき意見交換すると共に、進出支援に係る要望聴取、また、ケープタウンにおいて南ア議会を訪問。

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