外務本省

伊藤外務副大臣のWTO及び国連関係会合出席(概要)

平成21年7月9日

 伊藤信太郎外務副大臣は、7月5日(日曜日)から8日(水曜日)まで、スイス・ジュネーブに出張し、WTO及び国連関係会合に出席したところ、概要は以下のとおり。

【日程】
日付 内容
7月5日 北島大使主催夕食会(黒田アジア開発銀行総裁との意見交換)
7月6日 ヴィースランデル・スウェーデン副大臣との会談
WTO貿易のための援助グローバル・レビュー会合におけるパネル・ディスカッション
ルーカ国連経社理議長主催昼食会
国連事務総長との会談
スウィングIOM事務局長との会談
チャンWHO事務局長との会談
ウォーカー農業交渉議長との会談
北島大使主催夕食会(米、EU、中国、スイス、メキシコ、ウルグアイ大使との意見交換)
7月7日 閣僚級朝食会「女性と新生児を守るための努力の加速」
ガリWIPO事務局長との会談
ラミーWTO事務局長との会談
記者会見
国連邦人職員との昼食会
国連経社理におけるスピーチ

1.WTO第2回「貿易のための援助」グローバル・レビュー会合

(1)WTOの第2回「貿易のための援助」グローバル・レビュー会合に出席し、途上国が多角的貿易体制から利益を得て経済成長を達成するために必要不可欠な貿易分野の途上国支援についての議論に参加した。(伊藤副大臣による冒頭発言(日本語英語))

(2)本会合において、伊藤外務副大臣から、我が国のこれまでの積極的な取り組みを説明するとともに、我が国の新しいイニシアティブである「開発イニシアティブ2009」を発表した。このイニシアティブは、今後3年間(2009~2011年)で総額120億ドルの二国間援助によるAfT関連プロジェクトへの資金協力を行うとともに、AfT関連の技術協力として合計4万人の専門家派遣・研修員受け入れを行うことを主な柱とするもの。これは、2005年に我が国が発表した「開発イニシアティブ」を上回る規模となっており、こうした我が国の取り組みに対してはラミーWTO事務局長はじめ多くの関係者から高い評価が示された。

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2.国連経済社会理事会閣僚級会合への出席

今回の国連経済社会理事会閣僚級会合は、国際的に合意された開発目標(ミレニアム開発目標(MDGs)を含む)の達成に向けた進展を閣僚レベルで検討・評価するものであり、本年のテーマは、我が国も重視している「国際保健」であった。伊藤副大臣は、本会合において、北海道洞爺湖サミット及びそのフォローアップを踏まえた我が国の国際保健への積極的な取組についてプレゼンテーションを行った。会場からは、母子保健への我が国の取り組み等について高い関心が示された。(伊藤副大臣によるステートメント)(伊藤副大臣によるステートメント:資料(PDF)PDF

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3.要人との会談

 今回のジュネーブ訪問の機会を捉えて、伊藤副大臣は以下の国際機関の長、WTO関係主要国大使等との会談を実施した。

(1)ラミーWTO事務局長他WTO関係者との意見交換(ラミー事務局長:7月7日、その他:7月6日)

(イ)ラミー事務局長との会談において、伊藤副大臣からは、1)現在の世界経済危機の回復のためには保護主義を抑止することが重要であり、そのためにWTOが果たす役割が大きいこと、また、2)今後ドーハ・ラウンド交渉が重要な局面を迎える中、我が国として積極的に交渉に関与する旨表明した。これに対して、ラミー事務局長からは、我が国の「貿易のための援助」についてのイニシアティブに感謝していると述べた上で、保護主義の監視については各国の措置の補足は容易ではないが引き続きWTOとして実施していきたい、ドーハ・ラウンドの交渉に関しては、主要国の前向きな参加を得て、早期妥結を目指したいとの説明があった。

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(ロ)また、今回のジュネーブ滞在を利用して、交渉議長を含む主要国の大使(ニュージーランド(農業交渉議長)、米国、EU、中国、スイス(NAMA(非農産品市場アクセス)交渉議長)、メキシコ(サービス交渉議長)、ウルグアイ(ルール交渉議長))とも会合を持ち、現在の交渉状況や今後の取り進め方等について意見交換を行った。概括的に言えば、これらの主要国大使を通じて、ジュネーブの認識としては、最近の幾つかの閣僚級プロセスを経て、交渉の本格再開に向けての雰囲気は良くなっていること、今後は事務レベルの協議を加速させて9月以後の交渉に備えることが重要であることとの認識が感じ取れた。伊藤副大臣からは、日本としてもドーハ・ラウンド交渉の早期妥結が重要であると考えており、「貿易のための援助」も含め積極的に貢献していく用意があることを伝えた。

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(ハ)特に、ウォーカーWTO農業議長に対しては、我が国としては、重要品目の十分な数の確保、上限関税の不設定、関税割当の新設等が必要であるとの従来からの我が国の主張を申し入れた。

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(2)潘基文国連事務総長との意見交換(7月6日)

 潘基文国連事務総長との会談では、伊藤副大臣から、北朝鮮による弾道ミサイルの発射は断じて容認できず、国際社会全体が一致して安保理決議を全面的に実施していくことが重要であると述べ、事務総長にも協力を要請した。事務総長からは、ミサイル発射は挑発的であり、単に事態を悪化させるだけであるとの発言があった。また、事務総長から先般のミャンマー訪問について説明があったほか、新型インフルエンザ対策をはじめ、国際保健分野における日本と国連の協力についても意見交換を行った。

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(3)スウィング国際移住機関(IOM)事務局長(7月6日)

 スウィングIOM事務局長との意見交換においては、伊藤副大臣より、スリランカにおける国内避難民支援における協力等、我が国とIOMとの良好な協力関係を評価するとともに、来年度から実施するミャンマー難民の第三国定住へ向けた準備におけるIOMによる協力の継続を依頼した。これに対して、スウィング事務局長からは、日本のIOMへの支援に対する感謝の表明とともに、第三国定住や定住外国人の子供の就学支援事業といった日本政府の移住問題に対する取り組みを評価する旨の発言があった。

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(4)チャン世界保健機関(WHO)事務局長(7月6日)

 チャンWHO事務局長との意見交換においては、伊藤副大臣から、今般の新型インフルエンザへの対応における事務局長のリーダーシップを高く評価するとともに、今後とも新型インフルエンザへの備えを強化する必要があることから、引き続きWHOと連携していきたい旨述べた。これに対して、チャン事務局長は、日本のこれまでのWHOの活動全般への資金的及び人的貢献に感謝するとともに、H1N1新型インフルエンザに関しては、予測できないことが多く第二波に備える必要があり、また、ウイルスの薬剤耐性獲得やワクチンの安全性の問題等の課題が多い中、データ分析のために日本等各国からの症例に関する情報提供や、G8等で外交政策の中に保健問題が引き続き取り入れられることに強く期待する旨の発言があった。

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(5)ガリ世界知的所有機関(WIPO)事務局長(7月7日)

 伊藤副大臣から、ガリWIPO事務局長に対し、昨年10月に着任された事務局長の今後の指導力に期待している旨述べるとともに、1)様々な分野における知的財産権の保護と活用の重要性や2)事務局における日本人職員の積極的な登用への期待について言及した。これに対して、ガリ事務局長からは、我が国の幅広い分野におけるWIPOへの貢献に対して感謝の意を表するとともに、WIPOの各種委員会において議論が停滞している現状について言及しつつ、先月承認された新幹部体制の下での事務局内部の組織改革等を通じて現状の打開を図り、WIPOの本来の役割(知的財産分野におけるルール・メイキング)を果たしていきたい旨述べた上で、人的貢献を含む我が国の貢献に対する期待が表明された。

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(6)ヴィースランデル・スウェーデン通商担当副大臣(7月6日)

 ヴィースランデル・スウェーデン通商担当副大臣とは、開発問題等について幅広い課題につき意見交換を行った。


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