平成21年6月8日
於:メキシコ外務省
(1)3月に続き再びメキシコを訪問できることを嬉しく思う。まず、ソノラ州で多くの児童が死亡したこと、今般の新型インフルエンザ被害に対し、心よりお見舞い申しあげる。カルデロン大統領の果敢な指導力の下、メキシコ政府及び国民が一丸となって、この世界規模の課題に責任と透明性をもって対応し、既に通常の市民生活を回復しておられることに敬意を表したい。我が国としても、事態発生後、麻生総理からカルデロン大統領に対して、連帯のメッセージを発出したほか、サーモカメラの供与等緊急支援を迅速に行った。今後とも、この人類共通の敵とも言うべき感染症に対する対策を強化するため、いかなる協力が可能か、メキシコ政府と緊密に協議していきたい。
(2)本年から来年にかけて、日墨両国は交流400周年を祝う。両国で行われる多彩な記念行事や事業を通じて、両国民間の相互理解が一層深まることを期待している。また、我が国は、交流400周年の機会に戦略的パートナ-であるメキシコと幅広い分野で連携と協力をさらに推進していきたいと考えている。
(3)年初より両国ともに国連安保理メンバーとなっており、国際社会の平和と安定のために共に貢献してきたい。特に今般の北朝鮮の核実験は、安保理決議第1718号に明確に違反するものであるとともに、核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、エスピノサ外務大臣、アランダ外務次官との会談において、安保理として追加制裁を含む強い決議を迅速に採択すべきとの認識で一致した。決議の早期採択に向け、引き続き両国間で緊密に連携していきたい。
(4)気候変動問題では、メキシコは2050年に向けた温室効果ガスの具体的削減目標を掲げたほか、途上国を含め全ての国が責任に応じて拠出すべきとの興味深い「緑の基金」構想を提案するなど国際的議論に積極的に貢献しており、メキシコの努力に敬意を表する。2013年以降の公平かつ実効性ある枠組み構築に向けて、メキシコと連携を強化していきたい。
(5)核軍縮分野では、メキシコはトラテロルコ条約締約国として、我が国は唯一の被爆国として、ともに積極的に取り組んでいる。日本が立ち上げた「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」には、メキシコからもセディージョ元大統領に参加いただいている。我が国は、本年4月、世界的核軍縮を進めるための「11の指標」を発表した。今日、核軍縮への機運が高まっており、その推進に向け、今後ともメキシコと協力していきたい。
(6)現在、我々は国際金融経済危機に直面しているが、幸い日墨両国には経済連携協定(EPA)という資産がある。これを最大限に活用しつつ両国間の貿易・投資を拡大していきたい。メキシコには既に多くの日本企業が活動しており、メキシコの競争力の強化と雇用の維持に貢献している。今後、メキシコが重視するインフラ分野などでも日本企業が活発に活動できるよう日本政府としても支援し、経済関係強化に貢献していきたい。
(7)今回の訪問がこのような両国間の戦略的パートナーシップをより強化し発展させることにつながれば、幸甚である。
(1)今回の伊藤副大臣のメキシコ訪問は、総理特使として二度目の訪問であり、右は、メキシコとの関係を日本が重視していることの証左である。
(2)先程、伊藤副大臣はエスピノサ外相を表敬し、午前中、コルドバ厚生大臣と会談した。私(アランダ次官)との間では、本年2度目の実務会合を行った。
(3)こうした会談において、伊藤副大臣からは、AH1N1型インフルエンザに係るメキシコ政府の対応が適切であり、かかる困難な事態に対するカルデロン大統領のリーダーシップについての評価が示された。
(4)衛生上の危機において日本国政府及び国民から伝達された連帯の意に係るメキシコ側の謝意を伊藤副大臣に表する。
(5)既に、大統領及び外相から日本側に謝意を表明済みであるが、インフルエンザ対策に係る協力として日本から寛大なる物資の贈与があったことについて改めて感謝したい。
(6)我々は、貿易、投資、(経済)協力面でEPAが提供する機会を統合的に活用し続けることを約した。その目的は、日本がメキシコにとり主要な貿易パートナーの一つとして、また、アジア大洋州地域の最大の投資国として強化されることである。
(7)両国は戦略的パートナーとして、二国間の広範なアジェンダについて協力し対話を継続すること共に、広範な多国間の課題に協力していく。
(8)400周年の記念事業について両国において再開されたことを嬉しく思う。クアウテモック号が日本の幾つかの港に現在寄港していることは両国の更なる緊密化に寄与しよう。
(9)この400周年は、2008年に外交関係樹立120周年を迎えた二国間関係が素晴らしい状況にあることの証左となる。このような中で、カルデロン大統領の訪日を明年に実現させるべく調整中である。