「戸畑あやめ」は、長い間、絶滅したと思われていたまぼろしの花です。むかしは福岡県の戸畑という地域にたくさん咲(さ)いていましたが、大気汚染(おせん)など環境(かんきょう)の変化で、数がとても少なくなってしまいました。
理科の授業で戸畑あやめを観察した明治学園小学校の4年生は、絶滅しかかっているという話を聞いて、自分たちもなんとかして戸畑あやめを守りたいと考え、学校で育てることになりました。戸畑あやめは育てるのがむずかしい植物ですが、「戸畑あやめ保存会」など大人たちの協力を得て、大切に栽培(さいばい)しています。5月、校庭の日当たりのいい場所に花だんをつくり、植木ばちで育てていた戸畑あやめを植えかえました。
戸畑あやめは強すぎる日ざしに弱いので、夏休み前には日かげになる囲いを作ります。しっかりと世話をして、戸畑あやめを来年の4年生にバトンタッチするのが目標です。
調べ学習の時間には、戸畑あやめについて「どういう花なのか」「戸畑のむかしの環境」などくわしく調べて、秋の文化祭で発表する予定です。また「アピール隊」をつくって、全校の児童にも戸畑あやめのことを広めたいそうです。活動を見守る中村先生は「戸畑あやめがきっかけになって、自分たちの町や地球の環境について考える4年生が増えました」と話していました。貴重な戸畑あやめが、じょうぶに育つといいですね。